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イザク

Author:イザク
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昔のSF。宇宙とかロボットとかそういうSFっぽいもの。
本一般。映画一般。特撮ヒーロー。仏像。友情モノ。
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グエルチーノという名前って、聞いたことありましたか?
私は全然知りませんでした。
しかし、上野の美術館でもらってきた予告チラシに載っている絵の数々の、あまりの素晴らしさに「これは今年、絶対行くべき美術展だな」とひそかに思っておりました。
そして先日、都美術館に行きましたが・・・。

期待以上、想像以上、の素晴らしさでした!
個人的には2012年の「エル・グレコ展」に近い感動を覚えました。
グエルチーノは日本ではほとんど知名度がない画家ですが、本国イタリアではバロックを代表する大画家扱いだとか。
そんな大画家の、国宝級ともいうべき代表作、大作の数々が惜しげもなく日本にやって来たのには、実は訳がありました。
グエルチーノの作品の多くはイタリアのチェント市立絵画館に保管されているのですが、チェントは2012年5月に地震に襲われ、大きな被害を受けてしまったのです。絵画館はいまもって閉館したままで、復旧のめども立っていないとのことです。
そこで保管しきれなくなった絵画の数々を、日本の美術館に貸し出してくれることになったのです。本来なら門外不出であってもおかしくない大作の数々が、惜しげもなく一度に来日しているのはそういうわけ。
ちなみに、今回の展覧会の収益の一部は絵画館の復興に充てられるそうです。

絵の感じはカラバッジョに近い、ドラマチックな陰影の強い宗教画。
とにかく、協会の壁に飾ってあったような大作が多く、圧倒的な迫力です。
緻密な描写のもつ力と、西欧絵画の伝統の力が会場全体にみなぎっている感じ。
カラバッショやエル・グレコに比べると、個性が弱いのかな? と思わせる感じもありますが、でもまあ、今回出展されている絵の画像を貼っていきますから見てくださいよ。私が興奮しているのも分かるでしょう?

「放蕩息子の帰還」
息子の顔が暗くなってるのとか、後ろのガラス越しの光とか、下の方で帰って来たご主人さまにじゃれついている犬とか、どこをとっても見応えのある絵。
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「聖イレネに介抱される聖セバスティアヌス」
介抱って、普通もっと静かにやるもんだと思うけどどうしてここまでドラマチックなの?笑
青空のドームを背負った聖イレネが美しいです。
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「聖フランチェスコの法悦」
夜空の青が印象的。バイオリンを弾く天使がやたら肉感的というか重そうなんですがそれは笑
構図にも隙がないです。
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「キリストから鍵を受け取る聖ペテロ」
壁一面に描かれた大作。目の前で見ると、とにかくすごい迫力。いい意味でも悪い意味でもパワフルというか、日本人の美意識からは描かれえない世界だなあ、と思います。
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グエルチーノ、という名前は「斜視」という意味のあだ名だそうです。斜視の小男だったらしい。
しかしグエルチーノは、若いころから絵の才能があって、決まった師を持たずほぼ独学で絵を学んだのだそうな。
イタリアでも一時期忘れられていた時期があったのですが、近年再評価され、大家としての地位が定まったのだそうです。
こういう、バロック時代の画家の絵をこんなにも一度に見ることができる機会はそうあるものではなく、またこの先もおそらくこれだけの規模で作品が日本で見られることもないでしょう。
知名度の低さゆえか、会場も空いていて見やすいです。
「グエルチーノ? 聞いたことないけど」などと言わず(ほとんどの人が聞いたことないですからw)、ぜひこの機会に会場に足を運ぶことをお勧めします。
私が払った入場料も、チェント市の美術館の復興に役だっているんだと思うとちょっと嬉しいですw
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東京近郊の方に告ぐ! これを見ずして何を見る! ボッチチェリの傑作を見逃すな!

ポスターにもなっているこの絵は「パラスとケンタウロス」という題名で、ルネッサンスを代表するイタリアの画家、ボッチチェリの代表作の一つです。
ボッチチェリといえば、「ビーナスの誕生」や「春」が有名なので、西洋美術に興味のない方でも、よく目にされているのではないかと思います。

img_8.jpg「ビーナスの誕生」
img98f0f1ffzik8zj.jpg「春」

イタリアのウフィツィ美術館といえば、これらのボッチチェリの代表作をはじめとしてメディチ家ゆかりの、大げさではなく人類の至宝ともいうべき作品の数々がおさめられている、西洋美術好きにとっては聖地のひとつであるわけです。
そんな場所から、34年ぶりに日本にやってきた「パラスとケンタウロス」。
これはもう、3食抜いても見に行かねばなりません。

34年前、私は美術系の学生でした。
(美術系出身なのになぜその道を選ばなかったのか? とか、どうしてそんなに絵が下手なのか? といった疑問もおありでしょうが、そのへんは自分の人生の色々なコンプレックスと結びついていて変な言い訳しかできなくなるのでスルーしてください)
当時は今よりもっと美術に興味や関心がありましたから、当然ボッチチェリも大好きで、この絵が来たときも行きたかったのですが、学生でお金がなかったのと、当時若さのゆえにつまらない事で悩みが多く、やや引きこもり気味だったのとで、行く機会を逃してしまいました。
あとになって見に行った友人から、「絵が内側から光を発していた」と聞かされ、見ておくべきだったと激しく後悔しました。

そんな経緯のあるこの名画が、なんとまた日本にやってくるという。
これはもう、行くしかありません。幸いにも今、私は東京に住んでいます。
土日は混みそうなので、毎週金曜日、閉館時間が夜8:00までなのを狙って、会社を定時で切り上げダッシュで行ってまいりました。
金曜夜、空いていました。ほとんど人込みに邪魔されることなく、名画の数々を堪能できました。
「なぜこれだけの展示なのに、こんなに空いている?」という義憤さえ感じました。
金曜夜、オススメです。

まず、「パラスとケンタウロス」の感想から書きます。
会場となる都美術館は、展示室が1階・2階・3階に分かれています。
1階の絵を見終わって2階に上がり、部屋をぐるりと見たらすぐ部屋の向かい側、真正面にこの絵が堂々と展示してあるのが見えました。思わず、その場に固まってしまいました。
なんとなく想像ではもっと小さい絵なのかと思っていましたが、予想外に堂々とした、迫力ある作品です。
会場の、ライティングの加減なのですが本当に、内側から光を発しているように、強い磁力を発してでもいるかのように、部屋の中のその部分だけが密度の濃い空間になっていて遠くから眺めているまま、視線をはずすことができません。
あまりの風格に、思わず表情筋が緩んで、顔が笑ってしまいます。
(スゲー、スゲー、やっぱスゲー!)
思うことはそればかり。
そしていよいよ絵の前に立ちます。
どちらかというと色使いはシンプルで、モノクロに近いような印象ですがその分、衣の緑と空の水色が美しく、構図に隙がないため大きい画面がさらに大きく見えます。ケンタウロスの後ろの石の柱や、パラスが持っている長い斧(?)が画面を引き締め、画面全体から強い力が伝わってきます。
丁寧に書き込まれた部分と、スーッと抜けていく部分の対比が心地よく、この絵だけを見ていると分かりづらいかと思いますが、この時代の絵画としては色彩が明るいのです。特に空は「天上の青」とかこのことかと思われます。
そして、パラスの上半身、首から上があまりに美しく、ケンタウロスを見下す目が冷やか(笑)なことも言うまでもありません。

やはり、数百年の間、世界で「傑作」と言われ続けた名画のオーラは半端なかった・・・
私としても、34年ぶりに、人生の宿題がひとつ片付いた、という気持ちになりました。
そして、今更ながらイタリアのウフィツィ美術館にあるという「ボッチチェリの部屋」に行ってみたくなりました。
やはりこの目で見てみたい、「ビーナスの誕生」、そして「春」。この2作はさすがに、日本でいくら待っても来ないと思うしね・・・。うーん、人生の夢は尽きない・・・。

ボッチチェリ作品は他にも数点、展示があり、どれも美しかったです。
thH9OQ4W00.jpg「聖母子と洗礼者ヨハネ」
特にこの絵が好きでした。構図がかっこいいし、本物はもっと色もキレイなんですよ。

しかし、何しろ「パラスとケンタウロス」のインパクトが凄すぎて全部持っていかれた感があります。
正直、3階に展示してある絵などは魂を抜かれて流し見のようになってしまいました。この絵は展示会場の最後、大トリに展示すべきだったと思います。
非常に内容の濃い、良い美術展だと思うのですが、その点はやや不満だったかも知れません。

個人的にはこの数年で、「エル・グレコ展」と並ぶ素晴らしい美術展でした。
日本でルネッサンス期の絵画をこれだけまとめて見られる機会もそうそう無いと思いますので、少しでも興味を持たれた方は絶対に行ってみてください。っていうか、行け!

P.S.
ミュージアムショップで、この絵の大判ポスターを探したのですが売っていなくて、仕方なくクリアファイルを買ったのですが、帰る時、都美術館のチラシ置きコーナーにてパラスの上半身がアップになった4つ折りでB5サイズのチラシを発見!
広げると、何とB全サイズのポスターになる素晴らしさ。嬉しくって3枚ももらってきてしまいましたww
都美館に行かれる際は、チラシ置き場(何か所もあるので気をつけて)のチェックを忘れずに!

連休中、上野に行って「台北 國立故宮博物院-神品至宝-」 を見てきました~。
亡父が中国オタク(昭和にはこういうオジサンは多かった)で、よく「中国の宝物はみんな台湾の故宮博物館にあるんだよ」と言っていました。なので、上野の博物館にその至宝が来ると聞き、期待して行ってみたのですが・・・。

何と言うか、「美術・芸術」というより、「考古学・精密工芸」という感じ。
展示が美術館じゃなくて博物館なのも、納得の感じです。
展示物自体は大変に価値のあるものなのだろうという事は分かります。殷の時代(紀元前11~13世紀。神話時代の王朝。「封神演義」というマンガで覚えましたw)の青銅器とか。まさに神品。
その他、蘇軾とか王羲之とか、歴史で習ったような人の書が惜しげもなく展示されているのですが、まあ、書というのはシロウトが見てもありがたみがわからなくてね・・・。
絵画も、宋の時代の緻密な作品などが何点も展示されていたのですが、西洋のテンペラや油絵と違って、水墨画は保存が難しく紙の変色が激しくて、価値はともかく、絵画として見たときの美しさには欠けるきらいがありました。

ただ、やはり中国の至宝といえば宝玉細工。
今回の展示でも、門外不出の「白菜」が、期間展示されていました。私が行ったときはもう展示は終了していましたが、解説ビデオがあったのでジックリ見てきました。
白菜
「翠玉白菜(すいぎょくはくさい)」
高さ15cmくらいの、石でできた小さな白菜です。石の色が白から緑に変わるところを生かして、まあ確かに白菜らしくしなっとした感じで、むしろ「なぜ白菜!?」と言いたくなる一品なのですが・・・
上の方に、やけに直線的なカクッと折れた細い棒みたいな部分があるでしょ? アレが何と、白菜にたかっている虫、キリギリスの脚なんですよ~(><) 反対側にはイナゴもいるのよ~!!
虫がついているのは、繁栄の象徴なんだとか何とか・・・
しかし、「白菜」というだけでも「何で!?」なのに、更に虫がついてる一品が門外不出の神品とわ・・・。まあ、本物を見ればそれなりに綺麗なんだろうけど・・・。
つくづく、中国的な美意識ってようわからんと思いました。もっとぶっちゃけて言うと、趣味が悪いです。

白菜以外にも、細密な彫刻やどうやって作ったのか分からない陶器など、見ごたえのあるものは多かったのですが、今回私が特に驚いたのは、細密な刺繍の数々。
刺繍
刺繍九羊啓泰図軸(ししゅうきゅうようけいたいずじく)
元の時代(13~14世紀)の作品ですが、水墨画に比べてもとの色が鮮やかで色面が大きくカラフルなため、実に見事です。刺繍というより、色糸で作った絵画という感じ。どれだけ細い針と糸を使ったら、こんな風に仕上がるのか・・・。

ミュージアムショップでは何と、白菜とキティちゃんがコラボしていました。
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↑これは私があまりの衝撃でつい買ってしまったクリアファイル。他にも、ぬいぐるみやお菓子など、いろいろありました。
良く見ると、葉の部分の右上と左上に虫が一匹ずつたかっているのがわかると思いますw
「神品至宝」という文字がある所を見ると、今回の展示のために日本で独自に企画されたコラボなのよね、コレ。
日本のKawaii文化ってスゴイ・・・。この白菜キティグッズを日本で買って、台湾にお土産に持って行ったら現地の人に喜ばれそうw

美術品を見に行くつもりで行くと、ちょっと肩すかしを食うかもしれません。
中国史・古代史が好きな人にはオススメ! 殷どころか、新石器時代の文物まで展示してありましたよ~!

今日は朝から上野に行って、以前から気になっていた展覧会のハシゴをしてきましたよ~!

パート1「バルチュス展」

聞きなれない名前、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、バルチュスは少女像で有名な20世紀の画家。
↓この「ユリイカ」の表紙になっている絵が今回の展示の目玉でした。
ユリイカ 2014年4月号 特集=バルテュス 20世紀最後の画家ユリイカ 2014年4月号 特集=バルテュス 20世紀最後の画家
(2014/03/27)
会田誠、平野啓一郎 他

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私もバルチュスの絵をまとめて見るのは初めてだったのですが、会場に入ってすぐに展示されている「ミツ」という白黒の挿絵連作にまずビックリ。なんと、バルチュスが11歳の時に描いた挿絵なんですよ。かなりの早熟だったんですね。
「ミツ」というのは猫の名前で、男の子が猫を拾い、家に連れてかえって可愛がるのですが、いつの間にかいなくなってしまい、捜しまわるストーリーが何十枚もの小さな絵でつづられています。一枚一枚の絵に味があり、白黒のバランスもカッコ良くてとにかく見ほれてしまいました(そしてお土産コーナーには「ミツのハチミツ」という瓶入り蜂蜜が売られていました・笑)
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バルチュスの絵は人体のポーズに独特の、壊れた人形みたいなディフォルメがあり、それがエロティックでもありジョジョっぽくもあります。ポール・デルヴォーにもちょっと似た感じ?
私のお気に入りは自画像「猫たちの王」。
pic_works02.jpgね? どことなくジョジョっぽいでしょ?(笑)

ただ、1940年代くらいまでの絵はすごく好きだったのですが、その後だんだん絵から力強さが感じられなくなっていく気がして残念でした。
初めて知ったことですが、バルチュスの二度目の妻は節子さんと言い、非常に美しい日本人女性でした。
今回の展覧会は彼女の全面的な協力があり、バルチュスの生前のアトリエを再現した展示などもあって興味深いです。
また、夫人の影響なのか、晩年ぼバルチュスの写真は和服を着ているものが多く、非常に親近感を感じましたw
そして今もまだ若々しくお美しい節子夫人の美的な生活っぷり(スイスのグラン・シャレの山荘に住み、普段着が和服で、庭の花の手入れをしお客様にはマカロンを焼いておもてなしをし、今は亡き夫の残した芸術作品の管理をし・・・)が、高級志向マダム向けのムック本みたいになって既に何冊も出版されているのをお土産コーナーで見て、またも驚いてしまったのでした・・・

↓こんな感じの本が何冊も・・・
グラン・シャレ夢の刻グラン・シャレ夢の刻
(2005/05)
節子・クロソフスカ・ド ローラ

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パート2「特別展 栄西と建仁寺」
東京国立博物館にて、5/18まで開催中。
何と言っても目玉は俵屋宗達「風神雷神図」。なかなか本物を見る機会はないので、この機会に行ってまいりました。

国立博物館に行って何が驚いたって、隣の本館でやっていた「特別展 キトラ古墳壁画」が、えらい混みようだったこと。
「キトラ古墳って何だっけ?」状態だったので本当にビックリしました。私が到着した時点(AM11:00ころ)で約140分待ち。建物の中に入れず、折からの雨の中、笠をさした人の列が建物のずっと先まで続いていました。お子さん連れの方も多く、子供たちにとっては過酷な体験だなあと思いました。
古墳の壁画って、世間一般でそんなに人気のあるものだったんですかね? 古代エジプト展に集まるノリなのかな・・・。
とにかく、これから行ってみようと思われる方は、ある程度時間に余裕を持って、覚悟をして行った方が良いと思います。あと、子供は連れて行かない方がいいと思いますよ。

さて、本題の「栄西と建仁寺」。
正直、栄西のことも建仁寺のことも興味がない(スミマセン)ので、お経や坊さんの肖像画などはほとんどスルーしてしまいましたが、海北友松の「雲龍図」という襖絵は凄い迫力でした。
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あと、伊藤若冲の鶏の掛け軸なども見ることが出来ました。

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そして真打、風神雷神図は「意外と小さいな」というのが第一印象。そして、褪色を防ぐためなのか照明が暗く、神品を見た時独特の、内側から輝き出でるような光が感じられません。
えー、そんなー、と思いつつ、人垣の中を少しずつ進んで、一列目でじっくりと見ました。すると、暗めの照明に目が慣れたせいなのか、太い輪郭線のなめらかさや色彩の鮮やかさがまっすぐに届いてきて、やはり国宝、リズム感さえ感じるような、躍動するパワーがありました。
特に、色使いの鮮やかさは印刷では分かりづらいと思うのですが、雷神が肩にかけて画面中央に向かってヒラヒラとはためいている布、あれが鮮やかな紺色で、裏が白なんです。それが、背景の金箔に映えて綺麗で綺麗で・・・
風神のほうも、抹茶色のボディに鮮やかな深緑のパンツ、そこに真っ赤な紐を結んでいるんですが、そこにチラチラと白と紺がからまって、何ともモダンで隙のない配色なんです。
解説文に、「風神が緑なら、雷神は本来、赤で表現されるべきだが、それではこの歯切れの良さは出なかっただろう」というような事が書いてありましたが同感です。
「国宝」という言葉の重さに反して、軽やかで気持ちのいい、センスの良さを感じる絵でした。

パート3「ジャック・カロ リアリズムと奇想の劇場」
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最後は、国立西洋美術館の企画展。
カロという名前も初めて聞く名前だったのですが、門の前に貼ってあるポスターがかっこ良くて、ヨーロッパの銅版画もけっこう好きなので面白そうと思い入ってみました。空いてるし、入場料が一般600円と、リーズナブルなのも嬉しいです。
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こんな感じで、なかなかカッコいいです。

それにしても何しろ銅版画(エッチングとかエングレービングとか)なので、絵が細かくて細かくて・・・
入り口を入る時に気付かなかったのですが、虫眼鏡を貸してくれていました。何人も虫眼鏡片手に絵に見入っている人がいましたが、まったく、裸眼では灰色の塊にしか見えません。私も途中から、読書用の老眼鏡を取り出してジックリ見ましたよww
このカロという人、人物像よりも悪魔っぽい生き物を描くと楽しそうというか筆が冴えるみたい(笑)で、「聖アントニウスの誘惑」をはじめ、悪魔ネタの絵が特に(可愛くて)好きでした。
しかしさすがに、銅版画は小さくて地味なのと、美術館をハシゴした疲れとで雑な見方ぬなってしまいました。
とりあえず、カロという名前を覚えたことで今回は良しとします。

1日3展はさすがに疲れましたが、明日もお休みと思うとこういう無茶もできちゃうところがGWのいい所ですよねーww

下の娘が大学で映画研究会に入っているという話は、前にもしていたかと思いますが、今日、その娘が「自主製作映画の撮影場所を探すため、現代美術を展示している美術館に行ってみたい」というので、竹橋の東京国立近代美術館に行ってまいりました。
正直、ただ美術館の下見に行くだけのつもりだったので、何の企画展をやっているのかも調べず行きあたりばったりで、「常設展示室が見られればいいや」と思って行ったのですが・・・

企画展「あなたの肖像- 工藤哲巳回顧展」に大爆笑~!
工藤哲巳、という人のことすら初めて知ったのですが、1960年代~80年代にかけて活動した作家で、シュールというかダダイズムというか、まあ20世紀っぽい現代アートです。とにかくそれが、「芸術は爆発だ!」というか、とにかく変なパワーに満ち溢れちゃってて、面白いったらないの!
絵画ではなくオブジェ中心の作風ですが、そのオブジェってのが〇〇〇だったり・・・ww
部屋の壁一面に〇〇〇(中になぜかコッペパンも混じっているw)が取り付けられた部屋、題して「インポ分布図とその飽和部分に於ける保護ドームの発生」の前では思わず爆笑(美術館内なので、息を殺して「クックック・・・!」みたいな感じでw)してしまいましたよ!
「馬鹿だ! 思いっきり馬鹿やってる! むしろ潔い! そこに痺れる だが憧れない!」みたいな感じでww

工藤哲巳はパリと東京を行ったり来たりしながら、精力的に展覧会やパフォーマンスを繰り広げていたようです。今回展示されている作品はどれも、オブジェの宿命というか、全体にウッスラと埃が積もっていたり変色してしまっていたりして、発表当時の色の鮮やかさが失われているように思われて残念でした。でも、正直この人の作品は「美しい」芸術というよりも「なんじゃこれ!?」という楽しい驚きを与えてくれるものなので、そのインパクトは決して薄れていないなあ、と。
っていうか、20世紀後半の現代美術ってエネルギッシュだったんだなあ、と。

あと笑っちゃったのが、ベビーカーの中に脳味噌とか手型とか〇〇〇とか、いろんなオブジェが入っていて、そこから赤ん坊の泣き声が聞こえてくるコーナー。精子を思わせるオタマジャクシ型のオブジェとかもあり、何となく、映画「イレイザーヘッド」を思い出しました。グロっぽい感じも良く似ている。

とにかくいい意味でも悪い意味でも見ごたえがあって、私も娘も大満足。大人850円、学生250円と料金がお安いのも嬉しく、また、2/14~2/23(工藤哲巳の誕生日)までの期間中は先着100名様に特製チロルチョコ(ちゃんと「あなたの肖像-」って印刷してあるのよw ちなみにホワイト&クッキー味)のプレゼントまであって至れりつくせり。

上野の美術館で印象派を見るのも良いけど、たまには現代美術もいいもんだなあ、と改めて思った1日でした。何ていうか、頭もココロも柔らかくなりそう。


あと、常設展示室にアンリ・ルソーの「第22回アンデパンダン展に参加するよう芸術家達を導く自由の女神」があって嬉しかったです。アンリ・ルソー好きだしこの絵も画集で見ていいなあと思っていたので。
ルソー
↑クリックで大きくなります。

上野の東京都美術館で始まった、「ターナー展」を見てきました~!

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《スピットヘッド:ポーツマス港に入る拿捕された二隻のデンマーク船》
やはりターナーと言えば帆船、というイメージです。↑この絵も良かったです。ミュージアムショップでこの絵のクリアファイル買っちゃっいましたww

08タ0ナー
《チャイルド・ハロルドの巡礼―イタリア》
あとはこんな感じ↑の、光あふれる風景画。
ちなみにこの絵は、英国留学中の夏目漱石が目にしていたらしく、「坊ちゃん」の中で赤シャツが松の木の生えた島を「ターナー島」と名付ける場面はこの絵がもとになっているのではないかとの事でした。

09.jpg
《湖に沈む夕陽》
↑晩年はほとんど抽象画というか、印象派的な作風に。この絵は最後の部屋に飾られていたのですが日本人の琴線に触れるらしく、じっと絵の前で立ち止まって動かない人が多数いました。この画像だとわからないですが確かに、本物には何か幽玄の気配があって思わず見入ってしまう感じでした。

しかし!
ターナーの真骨頂は、何気なくさりげなく描かれたスケッチではないかと!
大画面の油絵よりもササッと描かれた水彩の方がタッチも色使いも綺麗で、私は好きです。特に凄かったのがスケッチブックで、ターナーは旅行の時にスケッチブックを持ち歩いていたのですが、そこに描かれた建物や風景の緻密な線ったらないのよ! 
画像がないのでここに貼れないけど、なんかもう鬼だった。スケブ職人や~!!

ターナーの絵がまとめて見られる展覧会というのが珍しくて、行ってみたのですが個人の趣味としては正直、あまりピンと来ませんでした。(今年の冬にやってた「エル・グレコ展」のほうが断然好きだったなあ)
イギリス人画家だと思うせいか、何となく堅苦しいというか面白みがないというか。
でもやはり、帆船や波を見ると「ターナーだあ~!!」と思いますね。一目みて誰だか分かる作風を確立しているというのはやはり素晴らしいです。

エル・グレコの世界エル・グレコの世界
(2012/09/25)
新人物往来社

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昨日から上野で始まったばかりの、「エル・グレコ展」に朝イチで行ってまいりました!
始まったばかりのせいか朝早かったせいか、驚くほど空いていて、もう名画の数々が見放題。
学生時代に西洋美術史で習ったような代表作も多数展示されていて、実にゴージャスで見ごたえある展示でした。これだけの規模でグレコの絵が見られる機会は滅多にない事だと思うので、興味ある方はぜひぜひ、早めに行かれることをオススメします。

グレコといえば、あの燃え上がる炎のようにデフォルメされてゆらめく人体と、ブルーグレーが印象的な色彩、細面に整った顔立ちと手先の表情の美しさ。
若いころからグレコは好きだったので、安い画集など買い求めて見ていたのですが、そのころ「いいなあ」と思っていた絵の実物が次から次へとッ!
特に、「福音書記者聖ヨハネ」の実物に会えたことは感動! 画集を見ながら「何て美しい男だろう」と思っていた若き日の感動がよみがえったッ!
「修道士オルテンシオ・フェリス・パラビシーノの肖像」「聖マルティヌスと乞食」「受胎告知」あたりも素晴らしかったけど、何といっても今回の目玉は3m以上の高さのある「無原罪のお宿り」。
上に貼った本の表紙になっている絵です。
美術館の最後の部屋にこの絵が堂々と飾られていて、まさに「神の光を目撃せよ」という感じでした。
色も形も構図も、グレコの絵の集大成、と言っていい大作です。
この絵はもともと教会で、下から見上げるように飾られているとの事なので、絵の前にしゃがみ込んで、なるべく低い姿勢から見上げると、迫力が倍増されて圧倒的なパワーを感じます。「フランダースの犬」の最後で、ネロが教会でルーベンスの絵を見て「もう死んでもいい」と思うシーンを思い出しました。

この、デフォルメされた人物のポーズ、立ちっぷりは今見るとどうしても「ジョジョ立ち」を連想してしまうのですが(笑)、荒木先生の絵柄ともどこか共通するものがあると思うんですよねw
ジョジョファンの人にもオススメですww

ところで今回の展示、宗教的な題材が多いせいなのか、要所要所に子供相手の「名画の見所・ここに注目してみよう」的なイラスト付の解説が置いてあります。ラミネートでパウチしてあって、実に見やすいです。
大作・代表作と思われる絵を見ていて、背後を振り返ると壁に取り付けられた箱に差し込んであります。これがなかなか鑑賞の手引きとして役に立つのですよ(笑)
空に浮かんでいる沢山の顔は「ケルピム」という事も、今回初めて知りましたw
「これは・・・!」と思う作品があったら、ぜひ後ろを振り返ってみてください。

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