プロフィール

イザク

Author:イザク
好きな物・好きな人(順不同)

昔のSF。宇宙とかロボットとかそういうSFっぽいもの。
本一般。映画一般。特撮ヒーロー。仏像。友情モノ。
西尾維新先生。舞城王太郎先生。荒木飛呂彦先生。奥泉光先生。円城塔先生。津原泰水先生。山岸涼子先生。松本大洋先生。三上骨丸先生。白鵬様。食パンちゃん。

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警告!


ここは、イザクの二次創作小説置き場です。
腐女子の方オンリーです。18禁な描写はありませんが、男性でうっかり迷い込んだ方はここで引き返すことを推奨します。
現在、「バイオーグ・トリニティ」と「仮面ライダーフォーゼ」、二つのジャンルを扱っています。

*バイオーグ・トリニティ*舞城王太郎原作、大暮維人作画のコミックス。1巻を読んだ段階で、あまりの友情展開にコロリとやられました。
強いていえばフジ×ホサですが、あくまで友情ッスよこの二人の関係は。ってかホサ君、総受け感強すぎ(笑)

「電話をよこせよバカヤロー」
bug.6とbug.7の中間、という設定で書きました。藤井の愛の叫びです(笑)

「修羅の前髪」
bug.6を読んだ直後に書いたので、今読むと設定が違ってしまっています。カプとか無いですから。あくまで友情ですから(笑)

*仮面ライダーフォーゼ*流友小説は、色々設定をしましたので、順を追って読んでいただかないと話が通じません。
長くて申し訳ないけど、①から順にお願いします。
コメントとか拍手とかいただけると嬉しいです。

ではでは、以下からどうぞ~!

流友。
キッグナスの回までの設定で書いています。
「謝ることすらできずに今は」
「最後に、もう一度だけ」(前編)
「最後に、もう一度だけ」(後編)

流友というより流二。
41話、流星がネビュられた回のあと、これから登場するジェミニの正体をいろいろ考えているうちに浮かんだネタ。
42話を見たら、さっそく大ハズレだった事が判明した(苦笑)ので、あくまでもパラレル妄想、って事で。
「世界を敵に回しても」

鬼流。
地獄大喜利を見る前あたりに書いたのですが、設定としてはアリかな、と。
「信じちゃ、駄目だ」

フォーゼ補完計画。
晴れて仮面ライダー部の一員となった流星と、複雑な思いでそれを見ているであろう賢悟との、本編には描かれない友情会話を補完します!
第一話「見知らぬ、天井」32話、処刑場の直後。
第二話「男の戰い」33話、修学旅行一日目の夜。
第三話「まごころを君に」第二話「男の戰い」の翌朝(笑)。
第四話「雨、逃げ出した後」34話、京都・知恩院にて。
第五話「死に至る病、そして」36話終了後。
第六話「人の造りしもの」特撮雑誌「ヒーローヴィジョン」44号を読んで。
第七話「せめて、人間らしく」45話、速水校長の話を聞いた直後。
第八話「心のかたち 人のかたち」最終回の数か月後。
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 <着信はありません>
 
 オレ、一日にいったい何回、このメッセージを読んでるんだろう?
 ちょっと前まで、オレはフミホからの着信を待って気が狂ったみたいになってた。あの頃が懐かしい。オレは何も知らなかった。
 いや、今でも何も知らないんだけど。でも苦しい。あの頃よりずっと苦しいよ。
 
 オレが待っているのは穂坂」からの着信。
 何でもいいんだ、どんなくだらない話でも。
「2秒で死ね」
 それだけ言って切られたっていい。畜生、穂坂、お前の声が聞きたいんだ。
 
 あの誕生日の夜、オレ達は確かに融合していた。お前はオレの中にいたし、お前の声だってはっきり聞こえた。っていうか何ていうか、オレ達は二人で一人の何かに変身してて、オレはオレじゃなかった。
 でも、何とかあの場を逃げ出して家に戻った頃には、オレは元のオレに戻っていたしお前の声も聞こえなくなっていた。お前が、雨で濡れた道路にペンキでもぶちまけたみたいに、真っ赤な血をどくどく流して仰向けに倒れていたあの場面ばかりが思い出されて、オレは今夜あったことはどこまでが本当だったのか分かんなくなって、実はお前はあの道路で仰向けになって死んでいて、オレがお前とひとつになったのはオレの願望が見せた夢だったんじゃないかって気さえしてきて、そうじゃなくってももしかしてお前はオレの中でもう死んじゃったんじゃないかとか、そんな考えばかりが頭の中をぐるぐるしていた。
 お前の声が聞こえなくなって、オレはいきなり、ひりひりする現実に放り出されたみたいに感じていた。お前があんなアクション映画みたいな恰好であんな怖そうな奴とゲームみたいな物凄いバトルをやってて、しかも負けて死にかけてるとか。オレが誕生日のパーティをやってたその同じ時間に、お前の現実はそんなんだったなんて。
 
 だからあの夜、お前から電話してきた時は本当に、本当に嬉しかったんだよ。
 分からない事だらけで全然気持ちが整理できてなくて、でもお前の声が聞けたらすごい安心して、お前はやっぱり今でもオレと一緒にいるんだ、夢とかじゃなかったんだ、って思ってさ。だけどオレ、すっげえ舞いあがってたのにお前ったらいつも通りだったじゃん? なんか、自分の周りに壁作ってるみたいな。でもって、フミホには悟られるなとか、みんな2秒で忘れるとか。オレからは電話するな、とか。
 オレ、とにかく嬉しかったしフミホには言うなってのはキワからも聞いてたから、なんかついお前に合わせちまったけど、今になって後悔してる。もっとあの時、喧嘩になってもいいからお前とちゃんと話しとくべきだったって。全部きちんと、聞いとくべきだったって。

 あの次の日、学校でフミホに会った。
 お前のことを聞いてきたから、オレは言われた通りにドイツの父親の所に行った、って言った。
 フミホは、直接お前からの連絡がなかったことにショックを受けていたよ。オレはフミホの顔を見ていられなかった。思わず顔をそむけたら、フミホが小さい声で「嘘・・・」というのが聞こえてオレは電気でも流されたみたいに反射的にフミホを振り返ってみたけどフミホはオレの方を見ていなくて、ぺたんと椅子に座ってどっか遠くを見ながら「・・・だったのかな、やっぱり」ってつぶやいていた。
 完全に独り言だったし、どんな意味かなんて聞けやしない。だけど穂坂、お前のせいでフミホが辛い思いをしているのはオレにだって分かったんだ。
 
 どうしてくれるんだよ、お前にフミホを悲しませる権利があるのかよ。
 お前は汚いよ、いつもクールぶって恰好つけやがって。そのくせ、大事なことは全部秘密だ。今だって、オレには何も教えてくれようとしない。
 そりゃ、オレは何の力にもなれないだろうし下手に色々知ったらかえってお前の足を引っ張ることになるかも知れないけど。だけどもう巻き込まれちまってるんだ、もっと頼ってくれ、とは言わないけど、信じてくれたっていいじゃんか。
 
 あの日以来、フミホは笑わなくなった。オレはもう耐えられない。オレ実は、お前に何度も電話かけてんだよ。だけどいっつも圏外だ。そこにいるのかいないのかも分かんないんだよ、オレには。
 

 畜生。
 そこにいるなら、電話くれよ。
 何でもいいんだ、お前の声が聞ければいいんだ。その壁を、ほんのちょっとでいいから崩してくれよ。

 電話をよこせ。
 何でもいいから。
 電話をよこせよバカヤロー!
  

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スミマセン何の起承転結もない呟きです。小説というよりポエムですww
bug.6とbug.7の中間です。
保坂ってあんまり電話くれなさそうだなー、って思って書きました。bug.7で保坂からの着信を待ってる藤井、せつないですよね。昔、フミホからの着信を待ってたころは幸せそうだったのにね・・・
やはり、友情>愛、って事ですかね(笑) 
2013/5/26

修羅の前髪


 教習所には、もう書類は出してあったんだ。
 ホサがいっつも当たり前みたいにフミホをバイクの後ろに乗っけて送ってくの見て、フミホのあの華奢な手が、ぎゅっとホサの腹に回されるのを毎日のように見てて、それ見ているオレは女の子の、キワのバイクに乗せてもらってるって、ありえないじゃん?
 確かにホサは一見ただの暴力馬鹿だけど、あの雪の日にやっと分かったように、あんなふうにフミホの事を寡黙なナイトみたいにずっと見守ってたなんてカッコ良すぎるじゃん?  
 だけどオレだって、フミホの事が好きな気持ちだけは絶対誰にも負けない自信あるし。ってかもう、それっきゃねーし。
 だから、オレがフミホを守れるようになる為の第一歩として、まずバイクの免許くらいは取らなきゃ、と。
 ホサだって四六時中フミホにくっついている訳じゃないし。いや、今思えばアレなんだけど、あいつ時々フッと姿を消すときあったからさ。そんな時、オレが「あ、最近穴あき狙われてるらしいじゃん? ホサいねーんなら、オレ送ってくし。後ろ、乗って」とかさりげなく、フミホ用に選んだ可愛いメット(多分、キワに選んでもらうことになると思う)手渡しちゃったり?「へー、藤井くん、バイク乗れるんだー」「ん? ああ、免許取ったし」とか言いながらも、フミホの両手がオレの腹に回されて、首の後ろにフミホの息がかかって、背中に押し付けられるフミホの柔らかい、やべえまさかこの感触は・・・ッ!!
 
(2秒で死ねクソが)
 教習所で直線走ってる時にいきなりオレはすげえ勢いでコケた。正確にいうと、いきなり背中を蹴られてバイクから吹っ飛んで何回転かしてやっとうつぶせの姿勢で止まった。目を上げると、主を失ったバイクがそのまま暴走してカーブを曲がれずにそのまま芝生に乗り上げて柵に激突してちょっと空を飛んでからひっくり返るのが見えた。
「なっ・・・!」
 痛いとかじゃなく純粋に何が起こったのかわかんなくてオレは何秒かのあいだ、まったく動けずにいた。
(テメー変な妄想してんじゃねえ!)
 ホサの声が聞こえてようやくオレは我に返った。
「何すんだよッ!下手したら死ぬレベルじゃねーかよ今の!オレ今死んだらおまえも多分死ぬぞ!?」
(あんぐれえのスピードで死ぬわけないだろうがボケが!バイクに転倒はつきもんだろ!公道でコケて人様の迷惑にならねーように今のうちにうまい転び方教えてやってんだよこのクソガキ!)
「だからってバイクで走ってる奴の背中蹴るかフツー?まあ、フツーならライダーキックでもしない限りバイク野郎の背中なんて蹴れないけどよ・・・!?」
 そう言いながらオレはもう気付いていた。ホサがオレの身体に蹴りを入れ(そう感じるような体感をオレの身体に加え)、飛ばされたオレの身体が最もダメージが少なくなるようにうまく芝生の上に、回転しながら受け身を取って落ちるように調整していた事を。いまだによく分かんないけど、ホサにはそういう事を瞬時に計算して実行できる能力があるのだ。ホサの能力というよりは、ホサがあの時着ていた服の性能なのかもしれない。そして今、オレの内側にいるホサはその能力を容赦なくオレの身体に対して使うのだ。まあ、外にいた時も一日一回は蹴りを入れられてたような気がするから、イメージとしてはあんまり変わらないんだけど。
「それに変な妄想とか言うけどよ、フミホがもしオレのバイクに乗ったら、って考えただけじゃん?やましいことねーしオレ」
(「胸が当たったらオレ死ぬ」とか妄想してただろクソが)
 ああ畜生、ホサには隠し事が出来ない。全部読み取らてしまうんだ。
「や、オレだって健全な男子高校生だからさ?それくらいはするよ?それにさ、今となってはフミホをバイクに乗せられるの、オレ、っつーかオレたちだけじゃん?なんでもっと協力的じゃないわけ?」
(フミホなら大丈夫だ、キワが乗せてくれる。テメーにその変な下心があるうちは、俺は絶対にフミホをテメーの後ろに乗せるのを阻止・・・)
 ホサが急に黙ったと思ったら、教官が青い顔で駆けつけてくるところだった。うん確かに、派手に転んじまったからなあ。オレはへらへらした笑いを浮かべ、服のあちこちを手でパンパンはたきながら立ち上がる。君っ、立って大丈夫か、怪我はないか、そう聞いてくる教官に笑顔で、や、運が良かったみたいで、何ともないです、でも念のために今日はこれから病院行ってきます、最後のせりふは教官を安心させるために付け加えて、オレは倒れたバイクの様子を見に行った。こちらも、ミラーが割れたりしてる程度で大したダメージはなさそうだ。ホサのやる事にはいつも無駄がない。
 さすがに全身に打ち身は出来ていて、服の下は青痣だらけなんだろうけどオレは教官にこれ以上心配されたくなかったので、身体中がじんじん痛みだしたのを無視してまっすぐ歩いてその場を後にした。

 なんだかんだ言ってオレはホサのことが好きなんだと思う。
 ホサがホサなりのやり方でフミホのことを大切にしているあの感じが好きだし、クールぶってる割にけっこうお祭り騒ぎにハシャぐ所も好きだし、やたら乱暴なんだけどどこか変に大人びてるのも好きだった。
 ときどき、なにか「人生の真実」みたいな事をズバッと言ってきて、その時は意味がわかんないんだけどあとから少しずづその言葉の重さが響いてくる時もあって、今思えば、ホサはオレたちの知らないもう一つのハードな人生を歩いていたんだからそのくらいの言葉は普通にホサの実感だったんだろうけど、あのころのオレはそんなホサに何か底知れない深さみたいなものを感じていて、それがホサの魅力でもあった。そしてオレはそんな彼が毎日のように喧嘩をふっかけてくるのが内心得意で、嬉しくもあった・・・いや、何言ってんだオレ。さすがにそれはないか。ただ、ホサは他の奴のことはもっとクールにかわすのに、オレが相手だと何かムキになってつっかかってくるような所があって、オレがホサを無視できないのと同じようにホサもオレを無視できなかったんじゃないかと思う。
 委員長あたりには、「あんた達は本当は仲がいいのに」とよく言われたけど、そしてその時は全っ然納得できなかったけれど、一度ホサを失いかけて今こうして自分の手の中に取り戻してみると、ホサの気持ちはともかく、オレはやっぱり前からホサのことが好きだったんだ、と思わざるを得ない。
 
 ホサはオレの内側に確かにいるはずなのに、普段は出てこない。ホサがずっと黙ったままだとオレは、あいつどっか行っっちゃったんじゃないかと不安になって、その存在を確かめたくって、一筋だけ長く伸びた前髪を指でさわってみる。白く変色したその髪を、オレは女の子みたいに指にクルクル巻きつける。そうすると、あいつはちゃんとここにいるんだって安心できる。スリープモードになってるだけなんだって、納得できる。
 第一、静かだとこんなふうに心配になったりもするけれど、実際さっきみたいに突然出て来てはいきなりオレの身体をどついたり暴言を浴びせたりする所は以前とまったく変わらず、オレのほうもそのたびに頭に来ては、ひどい言葉で言い返してしまう。これをうっかり他人がいる場所でやってしまって狂人を見るような目で見られた事も何度もあるのだ。そのたびに、もう二度と出てくんなよテメエ!って思うんだけど、さっきみたいにマジで大怪我したかもしんないような事されると、こいつを中に入れとくのはやっぱ無理じゃないか?早く解毒剤使って出しちゃったほうがいいんじゃないか?とも思うのだ。冷静になって考えると、あの時瀕死の状態だったホサを、まだ何日も経ってないのに外に出してしまったらその場で死んじゃうんじゃないか?っていう恐れがあって、当分の間は実行に移すつもりはないのだけれど。

(打撲と擦過傷、内出血だけだ。骨は折れてないし脳内出血もない。・・・悪かった)
 教習所から送迎バスに乗って、病院の前で降ろされたけど別に大した怪我じゃなさそうだし面倒くさいしなあ、とか思って病院に背を向け歩きはじめた時、ホサの声が聞こえた。オレの身体の状態を内側からスキャンしてくれているのだ。なるほど、役に立つなあ、って思って聞いてたら最後に小さい声で謝ってきたのでオレはびっくりした。
「え、何。お前なんか悪いもんでも喰ったの?」
 つい反射的に、そう憎まれ口を返してしまいながら、ああそうかこいつはフミホのことだと自分を抑えきれなくて、それを自分でも悪い癖だと思ってはいるんだなあ、という理解がオレの中に生まれる。教習所でオレは確かに、自分の背中に押し付けられるフミホの胸の感触を想像して一人で興奮していたのだ。ホサはそれが許せなくて、ついオレを蹴ってしまったのだ。やってしまってからその危険に気付いて、急いでオレのダメージが最小限になるように調整してくれたのだ。そして今になって、それを謝ってきたのだ。
 そこまで理解したオレは、ホサが何も言い返せないでいるうちに急いで言葉を続ける。
「や、オレもさ、ごめん。お前がそこにいるってこと、忘れちゃっててさ。あのままだったらオレ、フミホの裸まで想像しちゃってたかも知んない。好きな女の子が別な男のそんな想像のネタになってるの見たら、オレだってホサと同じ立場だったらやっぱ蹴り入れると思うよ」
 ホサは何か言おうとして一拍、間をおいた。そして、 
(じゃあテメー、何か?俺がここにいなかったら想像し放題なのかこのクソが!)
 言い返してきた口調はもうすっかり普段通りだった。ホサはオレが理解したことを理解したのだ。この乱暴な口調は、互いの、謝罪の交換をしっかりと受取ったという合図だった。オレにはそう思えたのでこちらも遠慮なく言い返す。
「仕方ないだろ勝手に想像がふくらんじまうんだから!お前こそ一人の時何考えてんだか知れたもんじゃねえだろこのムッツリスケベ!第一、そっちからはオレの考えが丸わかりで、オレからはそっちが生きてんのか死んでんのかも分かんない、ってズルいだろ!」
(ぁあ?いちいちテメーのくっだらねえ思考なんてチェックしねえよ!読まれて困るような事、そもそも考えてるんじゃねえよボケ!)

 クソ、やっぱこいつ、追い出してやろうか?
 解毒剤使えば、いつだってお前をこっから出せるんだぜ、そう言おうとして口を開きかけたオレを、ホサは低い(しっ!)という声で黙らせる。
(振り返るな。後ろ4時方向。距離は約200メートル。敵だ)
 オレは歩調を変えずに歩き続ける。
(こないだみたいな奴か?)
(あんな変態野郎とは格が違う。あれは8号、今度のは5号だ。少々手こずるかも知れない)
 オレは歩きながら、自分の血がどんどん冷たく醒めていくのを感じる。融合が始まっている。あの時と同じだ。あの、8号と呼ばれた男と戦ったときと。
 
 ああ。
 ホサとひとつになっていく、この感覚がオレは好きだ。
 またお前と一緒に戦えて、嬉しいよ。 

(関係ねーよ。オレとお前、二人がかりならどんな奴だって2秒でフルボッコだ)
 オレの膚の内側に貼り付くように、ホサがオレを満たす。ホサの思考が、ホサの存在がどんどんオレに流れ込んできて俺にシンクロする。俺はもう俺であって俺ではない。戦いの予感に心は高揚し、逆に神経は研ぎ澄まされ精神は嫌になるほど冷静だ。周囲が静まりかえり、時間の流れが徐々に遅くなっていく。降り始めた雨の一粒一粒が、俺達の前にくっきりとした輪郭を持って浮かんで見える。フジイとホサの強い思いを共有した、俺達は戦い続ける一人の修羅だ。

 人通りのない場所に来た。修羅は振り返る。そして待つ、笑いながら。5号という名の遊び相手が接近してくるのを。

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BUG.6までの設定を使っています。
舞城文体っぽく書いてみたつもり。あくまで「つもり」って事で・・・。
藤井とホサが融合したあと、戦いの時は息がピッタリ合ってるんだけど日常生活では今までみたいに口げんかばっかりしてるといいなあ、と思って書きました。
なんかあの、ケンカ友達っぽい所がイイんですよねw
授業中の消しゴムの投げ合いも可愛かったww
それにしても、1巻のラストは何度読み返してもヤバい。こんなに熱い少年マンガは、本当にひさびさです。

P.S.
BUG.7を読んだらまったく違う展開になってました(苦笑)
まあ、その時かぎりのパラレル、って事で大目に見てください。
2013/4/30 5/18

最終回、賢吾が結局宇宙に行かないのが納得できない、という事はさんざん書きました。
こんな時こそ、補完の出番ですww
最終回後、何か月か経って、みな、それなりに落ち着きを取り戻した頃・・・という設定。
私はやはり、賢吾は一度は宇宙に行くべきだと思ってるのですが・・・どうですかね皆さん?

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 秋も深まったある日。
 賢吾は、昴星高校に流星を訪ねていった。
 流星は図書館で、二郎や白川と一緒に受験勉強をしている。挨拶を交わしたあと、賢吾は流星を外へ連れ出す。

「お前も受験か。大変だな」
「大変、って・・・。賢吾、お前はいいのか?」
「みんなの前では受験勉強をしているふりをしている。でもおれは大学には行かない。もう決めたことだ」
 流星はもの問いたけに、片方の眉を上げる。
「卒業したら、プレゼンターの所に行く。あの時は、何も準備ができていなかったが、理事長の野望を止めるためにも早く行動しなければならないと思っていた。今、こうして時間ができたのは有難いが、いつまでも放っておいていい事じゃない。おれが自分の運命を全うするためには、避けては通れない道だ」
 流星は言葉に詰まり、いったん目線を足元に落とす。
「・・・それだって、急な話だ・・・。弦太郎やユウキには、言ったのか」
「いや、まだだ」
「何だっておれの所に、最初に・・・」
 賢吾は少し笑う。
「あいつらに、うまく切り出せる自信がなくてさ。予行練習だよ」
「ひどいな」
「あと2発の権利はチャラにしてやるから、我慢しろ」
 二人、しばらく無言。

「・・・で、どうなんだ、準備とやらは」
「大杉先生に協力してもらって、蒲生理事長や江本教授の残したデータを手に入れたんだ。じっくり調べてみたが、おれの身体の、コアスイッチから作られた部分はすべて、プログラムの形で書き残せることが分かった。行く前に、それをきちんとした形で残しておく。プレゼンターに会う時は、おれの姿はこの、歌星賢吾のボディとはまったく違った姿に相転移するが、戻って来た時にまた、この姿に戻れるように」
「戻って、来られるのか」
「ワープゾーンを通るから、移動には時間はかからない。おれの、サンプルとしてのプレゼンが終われば、あっちに残っている理由はなくなる。意志さえあれば、戻れるはずだ。おれの身体と記憶にため込まれた地球人類のデータに、彼らがどれくらい興味を示すか、だな」
「向こうに着いたら、賢吾としての自意識を失う、なんて事は・・・」
「その可能性も考えた。だが、人類としての思考のパターンや感情といったものまで失えば、もはやサンプルとしては意味をなさない、だろ? だから、向こうに行っても、おれはおれのままだよ。そして、おれがおれである限り、役目が終わったらきっと戻ってくる。約束する」
 賢吾は流星の顔を見て、力強く言い切る。流星は口元を手で覆う。
「本気なんだな。本当に、行ってしまうんだな、胸を張って・・・。良いプレゼンが出来るといいな。お前なら、抜かりなくやりとげるだろうが・・・」
「お前や如月たちのおかげで、おれは変わった。プレゼンターたちも、人類っていうのは正しい心の持ち主だ、と思ってくれるさ」
「間違っても、彼らの前で『変顔』はするなよ」
 賢吾は隙を突かれた顔になる。

「・・・なぜお前が、それを知ってる?」
「鬼島に聞いた。M-BUSから戻ってきても相変わらず喰えない奴だが、ひとまずおれとの間の事は互いに水に流そう、という事になったんだ。二人とも、自分の意志以外のものに操られていた部分もあったからな。その時、教えてもらったんだ。あいつ、げらげら笑ってたぜ。あの時、笑いをこらえるのが大変だった、と言って」
「くそ、殴りたい。お前も鬼島も、殴りたい」
 流星は大きく笑う。
「そういうネガティブな感情は、プレゼンターに会うまでに捨てておいてくれよ、人類代表!」
 流星はそう言って、また笑う。悔しそうにしていた賢吾もやがて、それにつられるようにして笑いだす。
 黄色く色づいた銀杏の葉が、二人の足元を黄色くいろどり、なおも降りしきっている。


第45話で、賢吾がやたら「人間らしい」にこだわるので、
「これってどう考えても、賢吾は実は人間じゃなかった、って意味じゃん!」
と思い、
誰かに「人間じゃなくてもお前のことが好きだよ」と言ってもらわないと賢吾は救われないな、と思い、
久々に帰ってきましたフォーゼ界の隙間産業(笑)。
でもうまく、その殺し文句は入れられず、結局何がしたいんだかよく分かんない補完になってしまいましたww

45話、ライダー部が校長の話を聞いた後、賢吾が江本教授の部屋に案内してもらう前、という隙間にネジ込んでみました。

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 校長の話を聞き、驚く一同。
 とにかく蘭をどこかにかくまう必要があるので、美羽の自宅へと向かう事になった。

 賢吾は何か気になる事があるらしく、校長と話をしている。一人になった時を見逃さず、流星は声を掛ける。
「賢吾、どう思う。本当に奴を信用していいのか」
「とりあえず奴のスイッチは預かったんだ。信用するしないはともかく、校長の持っている情報は必要だ。蘭と、ピスケスのスイッチさえ守っていれば、奴には何もできない」
「弦太郎は、あっさり信用してしまったけどな」
「そこがあいつのいい所だろ・・・。その分、おれたちが目を光らせていればいいんだ」
「・・・確かに、そうだな。弦太郎が奴を招き入れなければ、天高や理事長の秘密も、聞くことができなかったわけだしな」
 
 賢吾はうっすらとした笑みを浮かべる。
「本当に、何なんだろうなあいつは・・・。最初はただの馬鹿だと思っていたんだが、いつの間にか、あいつに感化されて・・・。朔田は、一年前のおれを知らないだろう。如月と会う前のおれを見たら驚くだろうな。今日友子に、人間らしくなった、って言われたけれど本当にその通りだよ。如月や、ライダー部のみんな、それにお前のおかげだ。ありがとう」
 真顔でそう言われ、流星は反射的に目を逸らす。
「気味が悪いな・・・。そんなに素直になられると調子が狂う。おれも自分の気持ちを表に出さないタイプだからな、素直なのもいいけど、以前の、気難しいお前もそれなりに人間らしいと思うぞ」
「・・・そうかな?」
 流星は視線を戻し、賢吾の顔を正面から見る。
「ああ。気難しくって怒りっぽくて頑固で、みんなを振り回して・・・そんな奴と、おれは協力してずっとここまでやって来て、おかげでずいぶん丸くなったと思ってるよ。おれも最初のうちは、何を考えてるか分からなくて付き合いにくい奴だっただろうな。でも、あのころの自分が、人間らしくなかったとは思わない。ただ少し・・・自信過剰で、頑なだったんだ。賢吾だって人間らしくなかったわけじゃない、ただ少し自信過剰で・・・傲慢だった」
 賢吾は笑う。
「ひどいな、それは」
 流星も笑い返す。
「いや、傲慢なのは今でも同じか」
「余計にひどい。殴ってもいいか?」
「しまった。まだ2発あるのを忘れていた」

 笑いながらそう応じたあと、流星は真顔に戻る。
「冗談が言えるんならいい、安心した。賢吾、最近お前は少し、一人で考え事をしている時間が多いだろう。頭痛も、ひどくなっているみたいだ。みんな、口には出さないけど心配しているぞ」
「そうか。確かに頭痛は多くなってきているんだが」
「正直に言って、おれは最近のお前は、むしろ人間離れ・・・いや、言葉が悪いな、現実離れしているように感じることがあったんだ。心ここにあらず、っていう感じで。さっきも、気味が悪いほど素直だったしな。でも、大丈夫そうだ、いつものお前だったよ」
「人間離れか・・・。それもひどい。殴りたい」
「イヤ待て。校長をこれ以上待たせるわけにはいかない。その話は、また今度、な」
 流星はそう言って、笑いながら戸外へと向かう。
 
 一人残された賢吾は、
「人間離れ・・・ひどいな、まったく」
 そうつぶやいて、ふふと笑う。
 が、その時にいつもの頭痛が襲ってきて、もう流星の言葉の意味を考えることが出来なくなる。

「ヒーローヴジョン44号」に載っている、吉沢くんのグミ大好き発言の数々が可愛くって可笑しくって、ついついやっちゃいました的なネタ。なので、フォーゼ本編とは直接関係ありません。
流友界でも、バレンタインデーのネタとかに使われそうな気がしますw

現在(38話)の私の気分では、流友ってこんな感じ(つまりギャグ扱い)だけど、39・40話は友子が主体の話らしいし、何かそろそろ新しい展開来ますかね?

*********************************************

放課後、ラビットハッチ。
まだ早い時間なので、賢悟と友子、二人しかいない。
やや遅れて流星入室。

「友子、朔田が来たぞ」
と、なぜか笑顔の賢悟。
それを見て嫌な予感のする流星。
しかし友子もいるので、
「何をニヤニヤしている。また何か企んでいるんだな」
とは言えない。
友子が、黒い箱を持ってやってくる。
「流星さん、これ、食べて」
箱を手渡され、とまどう流星。
賢悟はなおも笑いながら言う。
「ほら、修学旅行の時、お前、グミばっかり食べてたじゃないか。だから友子に、朔田はグミが好物だよ、って教えてやったんだよ。市販のゼラチンパウダーと果物のジュースで、簡単に好きな形に作れるってことも教えた。そしたら、さっそく友子らしいグミを作ってきてくれたんだよ、お前の為にさ。さあ遠慮するな」
友子は赤面する。
「あ、あの、あたし、補習授業があるから! 今日はこれで帰る。あ、あの流星さん、それ食べて。魔除けになるから」
それだけ言って、走り去る友子。
「魔除け・・・?」
嫌な予感を感じつつも、箱の蓋をあける流星。
中に入っていたのは、白い蛇の形のグミ。驚く流星。
「うわあぁっ!」
賢悟がくすくす笑う。
「オレも、最初見た時はびっくりしたよ、リアルだもんな。安心しろ、カルピス味だそうだ」
「いや味とかじゃなくて・・・オレ、これ食うの?」
「食べて、って友子が言ってたじゃないか。ちゃんと全部食べたかどうか、オレが見張っていて、明日友子に報告することになっている」
「だ、だけど賢悟、これ、やたら本物っぽいぞ・・・」
「『ハクちゃんを石膏で固めて型を取った』と言っていたな」
『ハクちゃん』というのが何の事なのか、流星は恐ろしくて聞けなかった。

その後、弦太郎やユウキ達がやってきて、部室がいつものようににぎやかになっても、流星だけは一人、部屋の隅にいて無言だったという。
顎が痛むらしく、時々濡らしたタオルで顎を冷やしながら、何か白っぽい長い物を、ただひたすら、黙々と噛み続けていたという・・・。


36話直後。
病弱設定のはずなのに、あんな熱くドラムをたたき続けてケンゴ死んじゃうんじゃないの? って心配してたんですが、本当にケンゴが倒れてしまって大喜びの小母さんことイザクです。
あんな間抜けな姿を晒した以上、補完世界では流賢の関係にまた新たな進展があるに違いありませんww

ところで「フォーセ補完計画」のサブタイトルはすべて、「新世紀エヴァンゲリオン」に使われているタイトルなのです。
毎回、無理矢理感が一杯ですみません。
「死に至る病」というのは、その、ケンゴの、ドラム叩き病、って事で(笑)

****************************

ラビットハッチ。
放課後早い時間、まだ流星しかいない。
そこに来た賢悟、流星を見て少し嫌そうにするが、あえて平気な顔で入って来て端末のカバーを開ける。

「新しいフードロイドを設計してみたんだが。見てくれないか」
流星は賢悟の横顔を見て、ふふふと笑う。
「新しいフードロイドか。それよりお前たちのバンドの、新曲が聞きたいな」
賢悟の顔がこわばる。
「悪いが、その時のことは記憶にないんだ」
流星はまた笑う。
「それは勿体ない。ドラムの神が乗り移ったかのような熱演だったのに」
「やめてくれ」
「もともと素質があったんだろうなあ、あれだけテンションを上げられる、っていうのは」
「くどいぞ、朔田」
流星は真顔に戻る。
「わかった。やめる。じゃあもうお前も、このことをとやかく言うなよ、賢悟」
流星はそう言って、右手の包帯を見せる。
「おれも如月も、コスミックエナジーのおかげで傷の治りが早いんだよ。お前が心配するほど、無謀なことをしているわけじゃない。お前もタチバナさんも、最近『すぐ逃げろ』しか言わないが、おれはおれで、ちゃんと考えているんだ」
「また、そんな強がりを」
「何か言ったか?」
「くそ、何でもない。楽しいだろうな朔田。おれに使えるカードを、やっと手に入れたんだからな」
流星は椅子にかけたまま伸びをして、晴れやかな顔で笑う。
「ずうっと、お前には言われっぱなしだったからなあ。これでようやく、対等な友情が結べるってもんだろ。ヨロシク頼むな、賢悟クン」
流星は包帯のまかれた右手を出す。
賢悟はいらただしげに、その手を払う。
それをみて流星はまた笑う。

弦太郎たちがどやどやと入ってきて、ラビットハッチの中は急ににぎやかになる。

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