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イザク

Author:イザク
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昔のSF。宇宙とかロボットとかそういうSFっぽいもの。
本一般。映画一般。特撮ヒーロー。仏像。友情モノ。
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「おーい お茶」の新俳句より。

悲しさを知らぬがごとし春の星 (竹田愛理 16歳)

奇をてらったところがないのに、何かはっとさせられます。
「春の星」という言葉が新鮮で、今までありそうでなかったかも。
「春の~」ときたら、「春の雪」とか「春の月」と続けたいですよね。星だったら、「冬の星」か「夏の星」でしょう。
夏の星は、夏祭りの夜とか天体観測部とか、若々しく甘酸っぱい青春のイメージ。織姫と彦星の伝説や天の川などのロマンチックな恋人たちの気配も濃厚です。逆に冬の星は凄烈で厳しく、ぎらぎらと輝く刃物のような切れ味があります。どちらも、強いイメージを喚起する言葉です。

それに比べ「春の星」となると、夜空の色も何となくホンワカして、星の数も明るさも冬に比べてずっとユルくて、まあ何と言うかのほほんとしています。
で、作者は何か、人には言えぬような悲しみを抱えていて、夜空を見上げている、と。
16歳の女の子ですから、失恋なのか友人関係のトラブルなのか、春のことですから受験の失敗とか大好きな先輩が卒業したとかかも知れない。抱いていた夢の挫折や、あるいはもっと深刻な家庭内の問題や両親の離婚、親しいものの死、などなど。
若い人なのでもっと哲学的な「自分はなぜこんな自分なんだろう」というような悩みかもしれません。
人生に悲しみはつきものですが、見上げた夜空の星たちはいつも変わらず高い所で、悲しみなど知らぬようにまたたいているばかり・・・。

俳句はどちらかというと感情より理知やユーモアを尊重するような文芸だと思いますが、この句は「悲しさ」というストレートな言葉をドンと置いて、淡い光の春の星を並べた、自己憐憫スレスレの感傷的な句です。しかし、この甘い抒情性は心地よいです。中原中也の詩にも近い感じがします。
春の星、という言葉にはこれから始まる季節への期待がこもっていますね。「冬の星」よりも「春の星」のほうがずっと救いと希望がある感じ。「春」の一文字で世界観がぐっと広がって、爽やかな青春の句になっている気がします。
アークトゥールス、スピカ、レグルス・・・春の星は名前まで優しいなあ。
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