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イザク

Author:イザク
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昔のSF。宇宙とかロボットとかそういうSFっぽいもの。
本一般。映画一般。特撮ヒーロー。仏像。友情モノ。
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人間とAIの恋愛は可能か、という、一昔前の小説にありそうなバリバリのSFネタを、丁寧に丁寧に描き切った大人の近未来恋物語。泣きました(T.T)
【映画ノベライズ】her/世界でひとつの彼女 (宝島社文庫)【映画ノベライズ】her/世界でひとつの彼女 (宝島社文庫)
(2014/05/22)
佐野 晶

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主人公のセオドア(ホアキン・フェニックス)は妻と別居中の中年男。妻からは離婚届を早く出すように迫られている。一人暮らしの寂しさから、新発売のOSを買い求め、自宅のパソコンにインストールするセオドア。このOSは人工知能で人格を持っている。つまり、普通の人間相手のようにPCと会話ができる。
OSは「サマンサ」(声の出演はスカーレット・ヨハンソン)と名乗るハスキーな声の女性で、セオドアの反応を見ながらどんどんプログラムを進化させ、セオドアの心に寄り添っていく。セオドアは彼女と恋に落ち、そして・・・

まず、主役のホアキン・フェニックスがいいんです。私はこの役者、「サイダーハウス・ルール」での子役の時に目を付けていたのよ(自慢)。「グラディエーター」の皇帝役も良かったし、「クイルズ」の生真面目な神父も良かったなあ。上唇に独特のカーブがあって、眉のあたりに憂愁が漂っていてね。映画評論家の中野翠さんは確か「暗い道化(クラウン)の顔」と表現していました。今回のセオドアは口髭のせいか、ホアキン独特のクセのある魅力は薄かったんですが、でもとにかく表情が良くて上手いのよー。相手役のサマンサには外見というものがないから、余計にセオドアの表情だけですべてを表現しなきゃいけないんだけど、もう、見ているだけで心の動きが手にとるように分かるのよー。

そしてサマンサの声、スカーレット・ヨハンソン。
この女優さんは「綺麗すぎて印象に残らない人」というイメージでした。「アベンジャーズ」でまさかの派手派手アクションを見せてくれてビックリはしましたが、まさか、声だけでここまで存在感を出せるとは・・・。
映画館に一緒に行った下の娘はこの映画に感動し、パンフレットを購入したのですが中の写真を見て、
「考えたら当たり前だけど、サマンサの写真がない!」
と驚いていました。言われるまで私も、サマンサの写真というものはこの世に一枚もないという事が信じられませんでした。そのくらい、この映画を見終わると、サマンサというちょっとセクシーでいたずらっぽくて誠実で傷つきやすい大人の女性のイメージが心にクッキリと残ります。更に言うと、その女性は明るいオレンジのドレスを着て浜辺にいます。
映画の中でサマンサが、
「私は写真に写らないから、代わりに音楽を作るの」
と言って何曲かその場所のイメージに合ったピアノ曲を作曲するのですが、その曲がまたすごく良いんです。サマンサの心情とセオドアの心を重ねあわせたような美しい音。もうほんとに、最近見た映画ではダントツに音楽が良いと思いました。
エンディングのサマンサの歌は泣けた・・・。

そしてこの映画では、色も重要なポイントで、セオドアの服がほとんどオレンジなんです。OSを立ち上げる時の画面の色もオレンジ。更にサマンサが5歳の女の子に選んであげるドレスの色もオレンジ。
だから何となく、サマンサをイメージするとオレンジの女性なんです。オレンジは陽気さ、元気さ、温かさ、つまりは幸せの色。(オレンジほどではないけれどピンクもよく使われていました)
セオドアの元妻が離婚手続きのため登場するシーンがあるのですが、そのシーンで彼女が着ているのが白いブラウスに紺のスカート。清楚で上品な色ですが、セオドアの求める幸せの色ではないな、と・・・。
余談ですが、私もどちらかというと暖色よりは白と紺みたいな寒色ではっきりした服を好んで着るタイプなのです。この元・奥さんが潔癖というか感情的というか、「あなたのそういう所が許せないの!」というような、すごく怖いところのある人で、なんだか見ていて辛くなりました・・・自分も、気が付かないうちにこういう、他人を不幸にする物の言い方をしてるんじゃないかと・・・。なんだかこの元妻と自分、タイプが似てる気がする・・・。
なので、今度服を買う時はオレンジかピンクにしようと思った次第です。

セオドアとサマンサの恋の行く末はネタばれになるので言えませんが、人を好きになることの喜び、ちょっとしたことでお互いの心がすれ違う苦しさ、一つの恋を最後まで経験して世界が違って見えてくる感じ、などなど恋愛の描き方が本当に丁寧です。恋に浮かれ、翻弄されるセオドアがキュートです。
セオドアが勤めているのが、「心のこもった手紙を本人に代わって代筆する会社」なのも効いています。日々の仕事として吐き出される言葉は上滑りするようでいて、やはり他人を動かす力を持つものなんですね。

現実のコンピュータやAIも、どんどん進歩していますが、サマンサみたいなAIが生まれるのはまだまだ数十年先なんだろうな・・・。
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