プロフィール

イザク

Author:イザク
好きな物・好きな人(順不同)

昔のSF。宇宙とかロボットとかそういうSFっぽいもの。
本一般。映画一般。特撮ヒーロー。仏像。友情モノ。
西尾維新先生。舞城王太郎先生。荒木飛呂彦先生。奥泉光先生。円城塔先生。津原泰水先生。山岸涼子先生。松本大洋先生。三上骨丸先生。白鵬様。食パンちゃん。

カテゴリ

最新記事

最新コメント

月別アーカイブ

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:


ポスター A4 パターンB バードマン あるいは (無知がもたらす予期せぬ奇跡) 光沢プリントポスター A4 パターンB バードマン あるいは (無知がもたらす予期せぬ奇跡) 光沢プリント
()
写真フォトスタンド APOLLO

商品詳細を見る

面白いけど、キツかった~・・・

ゾッとするというか息がが詰まるというか、とにかく最初からエンディングまで、緊迫感が半端無いんです。
この映画の独特の演出として、カメラがずっと1カットで回っているような撮り方をされていて、そのことに気付くまで、
「さっきからずいぶん長回しで撮ってるなあ。これじゃ役者もカメラマンも大変だったろうなあ」
などと思いながら見ていました。
普通の映画だと、緊迫した場面のあとにちょっと風景が映ったり建物が映ったりするカットがはさまったりして、息抜きというか気休めというか、「緊張 ⇒ 緩和 ⇒ 緊張 ⇒ 緩和・・・」という緩急があるのですよ。
しかしこの「バードマン」は、そういう休憩がなくてずーっと緊張。しかも、先行きがまったく読めない展開なので、どのシーンも気を抜くことを許されず、1本の羊羹みたいに最初っから最後までみっしり。
そのうえ、主役のマイケル・キートンの演技が重い・・・!
でもってテーマが暗い・・・!
でも、それでも、面白いんですよ・・・。

ストーリーとこの映画の背景については、前に紹介の記事を書いたのでそちらを見てくださいね。
ほんとに、「コイツ、これに命賭けてやがる・・・!」でしたよ。
マイケル・キートンにあの役は残酷だけど、それを受けて立つ役者魂も凄い。

あと、見ていて連想したのはフェリーニ監督の白黒映画「8 1/2(はっかにぶんのいち)」。
8   1/2 [Blu-ray]8 1/2 [Blu-ray]
(2013/01/11)
マルチェロ・マストロヤンニ、アヌーク・エーメ 他

商品詳細を見る

映画の監督か舞台の演出か、売れてるか忘れられているか、という違いこそあるけれど、仕事も人間関係も、何もかもがうまくいかなくて、それでも映画(芝居)を創造しつづけなければならなくて、幻想の中に逃げていくような男のグシャグシャした内面が描かれている。
「バードマン」は一見あまり幻想的な映画ではないのですが、そもそもリーガンの超能力(最初から、主役のリーガンは超能力の持ち主、という設定)が本当にあるものなのか、それともリーガンの見ている幻想なのか、すら判然としないため、全部がひとつながりの夢のようでもあります。(個人的には、幻想シーンはもっと多くても良かったと思いますが)
ただ、「8 1/2」の主人公グイドはラストに「人生は祭りだ! 共に生きよう」と言って自分の人生を、そのすべてのゴタゴタを含めて肯定するのに、「バードマン」のリーガンはどうも最後まで、生きることの苦しさから逃れられなかったような気がする・・・
(ラストシーンの解釈は人によってそれぞれだと思うけど、私はあまり明るい終わり方だとは思えなかった)

この映画では、「元・大スターで今は落ちぶれた男」が主役ですが、見ていると彼の苦しさは「今は売れていないこと」や「元妻・娘・俳優仲間などとすぐに関係が悪くなってしまうこと」だけではなく、「自分が自分として生きていることの、根源的・本質的な苦しさ」というもの、つまり「人生の苦しさ」だと思えてきます。
だから重いんですよ・・・。
同じ悩むにしたって「8 1/2」のグイドはあんなにも軽妙だったのに。これは、イタリア人とアメリカ人の国民性の差か、20世紀と21世紀の時代の差か。
とにかく、リーガンを見ているとリアルに「こうやって何もかも駄目にしていく奴っているよな」と思えてキツかったです。

マイケル・キートン以外の役者もみんな良かったです。
特に、リーガンの娘役のエマ・ストーン。
「アメージング・スパイダーマン」シリーズに出ていた時は(このシリーズ自体が嫌いだったため)、全然良いと思っていなかったのですが、今回は、ちょっとズベだけど感受性が鋭い女の子の役を好演。私の中で評価がハネ上がりました。
あと、リーガンの友人、ジェイク役のザック・ガリフィアナキスというメガネの俳優。リーガンを見捨てない良い奴なんですが、何というか、喜怒哀楽が「世間一般」のものでしかない。
リーガンは生きることに疲れて悩んだり苦しんだり幻覚を見たり超常現象を起こしたりしているのですが、ジェイクは芝居が成功すれば大喜びするような、そんな普通の、あくまで普通の人間。
自分も含め、世の中のほとんどの人間は普通の人だと思うのですが、リーガンの隣に置くと、なんだか生き方が薄っぺらいようにも見えてしまうのも事実。そんな、「普通のいい奴」をザック・ガリフィアナキスは好演していました。
(・・・っていうか、今、この記事を書くためにザック・ガリフィアナキスのことをちょっと調べたらこの人、「ハングオーバー」のアランじゃないですか! 痩せたなオイ! ってかアランかよ!? ってかもともとコメディアンらしいぞ!? すごい驚いたんですけど!?)
老女性評論家のタビサ役、リンゼイ・ダンカンも、短い出番ながらすごく印象的でした。

あと、この映画の緊迫感を高めているのが音楽。
ドラムを即興で叩いているような、ちょっとドキッとする音楽がずっと流れていて、何か気が休まる時がないんです。
たまにクラシックっぽい音楽に代わるのですが、そんなときはリーガンの妄想シーンだったりするのでますます神経が都が尖ってしまいます。
しかもその音楽って、舞台の奥の部屋でなぜか黒人の男がドラムセットを叩いている音だったりするのよね。(このシーンも現実なのか幻想なのか分からなくて怖かった)
音響の良い映画館で見たので、ますます音の効果を体感してしまいました。
やはり、できれば映画館で見てほしい映画です。

映画館を出たあと、カップルの会話が聞こえました。
男「何かで読んだけど、あの主役の人、昔スーパーマン・・・違うな、ええと・・・」
女「スパイダーマン?」
男「そう、スパイダーマン。やってたらしいよ・・・?」
節子、それスパイダーマンやない。バットマンや!
全力でツッコミたくなるのをぐっとこらえ、足早にその場を立ち去るイザクなのでした。
関連記事
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://isaac936.blog.fc2.com/tb.php/1186-c45b149d

 BLOG TOP