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イザク

Author:イザク
好きな物・好きな人(順不同)

昔のSF。宇宙とかロボットとかそういうSFっぽいもの。
本一般。映画一般。特撮ヒーロー。仏像。友情モノ。
西尾維新先生。舞城王太郎先生。荒木飛呂彦先生。奥泉光先生。円城塔先生。津原泰水先生。山岸涼子先生。松本大洋先生。三上骨丸先生。白鵬様。食パンちゃん。

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遅くなりましたが、前回読み切れなかった分の感想です。
全体として、前半よりも後半のほうが難解というか円城チックでした(笑)

「つじつま」
出産していない息子が体内で成長して・・・という、ワンアイデアのショートストーリー。
円城さんらしい上品なユーモアを感じるものの、正直、どうしてこれを円城塔が書く必要があるのか? という気がする。
何がしたいのかわからない、というか・・・。
普通に短編としては面白いのですが。

「犀が通る」
とある喫茶店に、毎日ランチを食べにくる男と二人の店員。
3人3様の内面、心模様。更に、その喫茶店の壁に貼られている星図、そして喫茶店とは何の関係もない想像上の犀との会話。
主観と視点がどんどん入れ替わり、平凡な日常の裏でお互いがお互いを全く理解していないのに、平凡な日常が淡々と成り立っていく怖さ、みたいなものが描かれていく。
(全盛期の筒井康隆がこういう短編を書いていたような気がするけど作品名が思い出せない)
ランチを食べにくる男、というのが、悪い男ではないけれどもどことなく狂気を宿した人物で、その男の目を通して見た、道端で父親にくすぐられて笑っている男の子の描写が凄まじく、こんなふうに物事が見えてしまう人物もさることながら、それを平然と文章にしていく円城塔にも改めて畏敬の念を抱いてしまいます。

「Beaver Weaver」
円城塔の得意のパターンのSF短編。
普通のビーバーが樹木を噛み砕くように、形而上ビーバーが公理を噛み砕いた結果、現出した支離滅裂な世界で、銀河社会主義国家群との宇宙戦争に巻き込まれてもいる「僕」が、小学校の頃、理科の実験でビーカーの水に石鹸を溶かす実験をしたことを思い出す話。
・・・まあようするに、まったく分かりません(T.T)
しかしまあ、円城さんのこの手の話によくある、正体不明だけど妙に魅力的な女の子が出てきて、初恋とか思い出とかの香りが漂うロマンチックな話(多分)。
あと、執事口調で話す「ライブラリ」が素敵ですw

「(Atlas)³」
これまた円城塔らしいパターンのSF。
カメラや観測衛星など、視点が増えすぎた結果、現実の方に齟齬が出てきてしまい、地図製作者の「僕」は殺され続けている、という話。
・・・ハイ、分かりませんね、まったく分かりません!
しかしこの短編では、「僕」を助けてくれる友人の「稲生」という男がとても良くて、二人の会話が青春ハードボイルドなのが読みどころです。特に、チョコレート風味のワインをめぐる会話が好き。何だかんだ言って、クサい二人の友情が好き。
途中で出てくるお色気お姉さんも好きだし、無駄にカッコいい語り口も好き。
ほんと、理系のカタブツなのかと思いきや、どうしてこんな洒落た会話とか書けるんだろうなあ。

「リスを実装する」
モニターの中で活動しつづけるプログラムされたリスの「マーク」。
そのマークを作った男(野実)には、かつて妻と息子がいた。そして、今は二人ともいない。
野実の内面に沿った語りが淡々と進んでいくのですが、だんだん、野実という男に感情がないのが怖くなってきます。もしかして、プログラマって徐々に感情をうしなってこんなふうになっていくものなのか?
マークと、家族と、野実の中ではすでに同列になってしまっていて、しかも野実自身も、モニタの中のマークのように決まった行動の繰り返しで一日を終えていくラストの数行は恐ろしかったです。

「Printable」
ハイ、またもや円城塔の得意の<創作/翻訳/コピー>、をめぐる誰かの記述、というパターンの短編です。
全然分かりません(T.T)
ただまあ、<他人の書いた小説/書くかもしれない小説/書かれたであろう小説>を翻訳あるいは創作していく、という行為はやはりどうしても「屍者の帝国」を書いた円城さん自身を想起させ、私のようなものはついつい、「まだこんな所にこだわっていたのかチクショウ泣かせやがって」という、歪んだ感想を抱いてしまうのでした。
あと、「コピー」というテーマが突き詰められていて、3次元コピー機で人間を印刷してしまうというアイデアが凄かったです。
人造人間って、こんな形で出来るのか・・・。コピーの子供が親をコピーするとか、まったく新しい未来図だと思いました。

以上です。
やはり今回の本では表題作の「シャッフル航法」が何といっても斬新でインパクトがありました。
「Beaver Weaver」や「(Atlas)³」を読んでいる時に、何度も「シャッフル航法、支離滅裂に」というフレーズが頭をよぎりました(笑)
もしかして円城塔のSFって「支離滅裂」の一言で言い表せるのかもしれない(笑)
あとは「内在天文学」の甘酸っぱさ、「(Atlas)³」の友情、「犀が通る」の狂気スレスレのシュールっぽさ、などなどが好きです。
まあ要するに、今回も分かんなかったけど面白かったです!
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