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イザク

Author:イザク
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昔のSF。宇宙とかロボットとかそういうSFっぽいもの。
本一般。映画一般。特撮ヒーロー。仏像。友情モノ。
西尾維新先生。舞城王太郎先生。荒木飛呂彦先生。奥泉光先生。円城塔先生。津原泰水先生。山岸涼子先生。松本大洋先生。三上骨丸先生。白鵬様。食パンちゃん。

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すべてが愛おしい!

昨年の映画のマイベストは、9月に見た「ワンダーウーマン」で決定だと思っていましたが、年末になってとんでもない映画に取って変わられました。
人形アニメ製作会社のライカが作った、「クボ 二本の弦の秘密」です。

「ワンダーウーマン」も、本当に本当に大好きな映画で甲乙つけがたいのですが、私はとにかく「人形アニメ」(ストップモーションアニメ)が大好きなのと、主人公のクボが可愛くてたまらないので偏愛度でこっちに軍配。
このブログでも何度も書いていますが、私はCGアニメが好きでないので、そのぶん、手作業の味がある人形アニメに肩入れしてしまうのです。
ただまあ、ライカの作品の場合、あまりにも動きがなめらかなので見ているとCGアニメだと錯覚してしまうんですけどねw
もう少し、ストップモーションのギクシャクした動きが残っているほうがいいと思ってしまいます。
若い頃に、ハリーハウゼン監督の「シンドバット 黄金の航海」に登場した、6本腕の仏像がそれぞれの手に刀を持ち、ガッシャガッシャと動き出す素晴らしいシーンを見て以来、ストップモーションがとにかく好きで好きでたまりません。
スターウォーズシリーズでも、第一作(つまりエピソード4)で、R2とチューバッカがチェスみたいなゲームをやってて、そこに出てくる小さなモンスターが人形アニメだったのが嬉しかったです。
そして人形アニメの極め付けは、やはりティム・バートンの「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」ですかね。
もうこの作品の素晴らしさに関しては今更いうまでもありませんが、動きのなめらかさとギクシャクさのバランスも、ちょうど良かったように思います。
映画を見ていて、「人形が動いている」ということの魔法、マジックを存分に感じられるとでもいいますか・・・。

さて、人形アニメについてつい長々と語ってしまいましたがこの「クボ」という作品、画像を見ていただければ分かる通り、日本を舞台にした剣と魔法のファンタジーなのですよ。
主人公の少年クボが、両親を殺し自分の左目を奪った冷酷な「月の帝」(クボの祖父でもある)を倒すため、サル(女剣士)とクワガタ(記憶喪失の武人)を御供に従えて、三種の神器ならぬ三種の武具を探す旅に出るという、メインストーリーからしてなんだか日本昔話っぽい。
そしてクボの造形が、なんか昔の「風のフジ丸」とか「カムイ外伝」っぽいのも可愛いww

クボは、殺される前の母親から、自分の父親の話を何度も聞かされてはいるのですが、母親は精神を病んでいるため、その話にはいつも結末が無い。父と母がどうやって出会い、自分がどうやって生まれたのかを知らず、想像の中で父親を強く勇ましいサムライとして美化し、その武勇伝を町の広場で大道芸のように語って聞かせる日々。
この、最初の大道芸の場面からしてもう凄すぎて涙が出そう。
クボは母から魔法の力を譲り受けているのですが、その力というのが、「三味線を弾くと、折り紙で折った動物や人間を自由自在に動かすことができる」という、何とも日本的かつファンタジックな能力なのですよ。
映画全体に使われる音楽も、三味線がメインなのですが三味線の音色ってこんなにカッコ良くて勢いがあって心がたぎるものなのかと、改めて思い知らされる気がします。本当に、命なきものに命を吹き込むような音色なのよ。
折り紙のクリーチャーたちがその音に乗って空を舞うこの大道芸のシーン、折り紙の動きとストップモーションの相性も良く(しつこい)、この映画一番の見どころと言って良いかと思います。

そして二番目の見どころは、クボたちが三種の武具のひとつ、「折れずの剣」を手に入れるために巨大骸骨の化け物と戦うシーン。
「骸骨」というもののガクガクした動きとストップモーションの相性が以下略、とにかくもう凄い迫力。
監督は日本の「ガシャどくろ」を参考にしたとの事ですが、アレが動くんですよガッシャガッシャと。
↓ガシャどくろ
yjimage.jpg
もう凄いよとにかく凄い。
エンディングで、このシーンを撮影するために骸骨の人形を少しづつ動かしていくメイキング画像が流れますが、照明の角度から何から、本当に一秒分のシーンを取るのにどれだけの手間暇がかかっているのか・・・。

日本を舞台にしながら、欧米の映画にありがちな「なんちゃって日本」感があまり無いのも評価が高いです。
一番気になったのが、町の盆踊りの時の曲が「炭坑節」だったことかな(笑)
雪原に巨大仏像が埋もれていたり、クワガタの甲冑が西洋騎士みたいだったりするのもまあ変っちゃあ変だけど、そこはファンタジーってことで許せるかな。
西洋人にありがちな「アバウト東洋趣味(日本と中国の混同)」が無いのも嬉しい。
冷酷な「月の帝」の衣装が中国の皇帝風なのも、クボたちの住む人間の世界(日本風)との違いが出ていて納得できます。
日本の風習、「お盆」「灯篭流し」が重要なエピソードになっているのも、自然すぎて気が付かなかったけどよく考えると「よくぞそこまで」って思いますね。

「月の帝」を倒すための旅が、同時に何も知らなかった自分の両親を知る旅になるということ、自分の過去、自分のルーツを知ることで困難に立ち向かう勇気や自分の人生を自分で決める決断力が生まれること。
少年の成長を描くファンタジーとしても非常に良い話です。

そして特筆しておきたいのが、サルの声を演じているシャーリーズ・セロンの素晴らしさ。
「クボ」の映画評をいくつか読みましたが、皆さんシャーリーズ・セロンを絶賛しておられますね。
ぶっきらぼうでそっけなくて、でも本当は暖かくて優しくて、なおかつ戦いの場面では凄まじい雄叫びをあげる、この声なくしてはこの映画、もっと安っぽく平板なものになってしまっていたかもしれません。
人形に命を吹き込むのは、もちろんアニメーターさんたちの地味な作業でもありますが、命だけでなく個性や魅力を吹き込むのに声優の力がどれだけ大きいのかを感じました。
シャーリーズ・セロンは「マッドマックス 怒りのデスロード」や「モンスター」で大好きになった女優さんですが、「クボ」のおかげでますます自分の中で評価が爆上がりです。

エンディング、三味線の音が「♪ペペンペペンペペーン」と鳴り響くと「オッ! このイントロは、もしや?」と胸が高鳴りました!
そう、エンディング曲はジョージ・ハリスンの名曲中の名曲「While My Guitar Gently Weeps(おれのギターが悲しげにすすり泣くとき)」。
誰でも一度は耳にしたことのあるあの名曲の、なんと三味線バージョンですよ!
あの印象的なイントロを三味線で、ってカッコ良すぎか!
しかもタイトルの意味も映画にかぶっていてね。そう、ネタばれになるのであまり言えないけど、クボは結局寂しい子供だし、彼の三味線は時に悲しくすすり泣くだろうからね・・・。

上映館も少なく、あまり話題にもならない映画でしたが、私は2度映画館に行きました。DVDが出たらもちろん買うつもり。
「ベイマックス」以来の大はまりアニメ、一人でも多くの人にこの良さを知って欲しいと思います!
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コメント

メッセージありがとうございました!

管理人さまへ


こんにちは。
このたびはメッセージありがとうございました!
特に冬のイベントは管理人様からナマのお話を伺えてたいへん励みになりました。
何度も馴れ馴れしくメールさせていただくのも失礼かと思い、こちらでお礼とコメントをと思いお邪魔させて頂きました。

管理人様の映画批評たいへん興味深く読ませていただきました。
特にこの「クボ」は気になります。
このような素晴らしい映画があったのですね。
私もナイトメアビフォアクリスマスは大好きです!
歴史に残る名作ですよね!
コープスブライドも見ましたが、あれは神業すぎて周囲の人がみんなCGだと思い込んでいました(
クボの公式メイキング動画を見てみましたがその手間ひまに目が回りそうです…
ひとまず近くのレンタルショップで探してみます!
素晴らしい作品を教えてくださってありがとうございます!

Re: メッセージありがとうございました!

匿名希望様

いらっしゃいませ、コメントありがとうございます!

> 特に冬のイベントは管理人様からナマのお話を伺えてたいへん励みになりました。

いろいろヘボット関係のイベントの話とか聞けて、面白かったですよ~。
上映会で売られていたという、スゴスゴインダーTシャツを着ておられる方が多かったです。
(このTシャツは、その後公式サイトでも通販されていました)
大きな声では言えませんが、関係者らしき人もお見えになっていましたね。

> クボの公式メイキング動画を見てみましたがその手間ひまに目が回りそうです…
> ひとまず近くのレンタルショップで探してみます!

クボはまだDVDになってないですよ。
もし、ライカの人形アニメを見てみたいのなら、
3年くらい前の「コララインとボタンの魔女」がオススメです。
キャラクターデザインも可愛いし、
「こんなお母さんだったらいいのに」
という願望からスタートするお話が、
誰しも身に覚えがあるというか、
入っていきやすいです。

「コープス・ブライト」は色調が暗すぎるのが個人的にイマイチ・・・
人形もあまり可愛く思えません。

ではでは。
また遊びに来てくださいね~。

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