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イザク

Author:イザク
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昔のSF。宇宙とかロボットとかそういうSFっぽいもの。
本一般。映画一般。特撮ヒーロー。仏像。友情モノ。
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今、自分の中で円城塔がすごいブームなんですよ。
もちろん、あの熱い受賞インタビューのおかげです。
なので難解で鳴る円城塔の作品、それもタイムリーな芥川賞受賞作のレビューにトライします!
なお、私は円城作品は割と好きで読んでいますが、一度も内容が分かったことがありません。
歯が立たなすぎて途中で読むのを止めてしまったことなら一度ならずあります(苦笑)。
なので、期待しないでくださいね~。
なお、ネタバレを含みますのでご注意ください。

講談社から出ている単行本には、芥川賞受賞作「道化師の蝶」と、「松ノ枝の記」という二つの中編が収録されています。

さて、感想なんですが・・・。
ぶっちゃけ、全然わかりませんでした!
「道化師の蝶」というのは、道化師の服のような色とりどりの羽を持つ、目に見えない蝶のことです。
この蝶は、文章を書くときの「着想」の暗喩です。
友幸友幸と言う名の、謎の作家(?)を巡って、書く行為と書かれる文章と書かれる客体とが互いに入れ子のように組み合わさって、それは刺繍や編み物をする行為にも似ていて、網の目をくぐり抜ける蝶がはばたいて、また誰かの頭に新しい卵を産み付ける・・・っていう話ですよ!
無理でしたやっぱ自分には円城のレビューは無理でした。

ただ、円城さんの作品には、「書くことそのもの」へのこだわりがテーマになっているものが多いように思うのですが、この「書くこと」がメインテーマになっている作品(前作「これはペンです」など)は、どうも個人的に好きではないみたいです・・・。
この「道化師の蝶」も、羽ばたく蝶とか銀色の網のイメージは非常に美しいのですが、結局、「書くこと」をめぐってグルグルしている小説のような印象を受け、自分としては、「だから、何?」という感想を持たざるを得ませんでした。
うわあ全然まったく読解できてないくせに超上から目線だー!!
っていうか選考委員の方々はなぜこの作品を推したんでしょうか?
選評が楽しみです。

(このあと、「道化師の蝶」を読み直してもう少し真面目に感想を書き直しました。読んでみようと思われる方はこちらからどうぞ)

そして自分的には本に収録されているもう一編、「松ノ枝の記」のほうがずっと好きです。
こちらは、作家兼翻訳家の「わたし」が、作品と手紙でしか知らないもう一人の作家兼翻訳家(「彼」)の家を訪ねる話。
「わたし」が驚いたことには、「彼」はじつは実在せず、「彼」の姉の内部にいる「書く人格」なのでした。
(ここでも「書くこと」に対するこだわりが見受けられます。)
そして「彼」は、「わたし」を家に招くことによって、「彼」についての本を、翻訳という形で「わたし」に書かせようとするのです。
つまり、声の届かない場所から声を届けようとする男と、その声を聞き取って、本にしようとする男の(友情の)物語なのです。
ちょっと引用します。

 その秘密を明かしたところで、彼がわたしに助けを求めたとは考えていない。たとえ私が手助けを申し出ようと、嫌な顔しかしなかったと思う。でもだからこそ、私はそれを試みるだろう。わたし自身の五冊目として。わたしたちはそんな二人だ。
 彼が呆れ顔で笑ってくれたなら、それ以上の僥倖はない。


どうです? 
そう、これは伊藤計劃の遺作を書き継いでいる、円城塔そのひとの物語だと思いませんか。
私にはそうとしか読めませんでした。
かなりストレートだと思います。ひとことで言うと、泣けます。
円城作品独特の、とっつきにくさ、難解さはあるのですが、「道化師の蝶」と比べると、ずっとエモーショナル、というか、熱い心が底に流れているのを感じます。
おそらく円城さんは非常にシャイでスタイリッシュな方ですので、「熱い心を感じる」なんて言われる小説を書いたつもりはないのでしょうが、私が円城さんの作品を、分からない分からないと言いながら読み続けているのは、きっと作品中にチラリチラリと、こういった感情の波が垣間見えるところに惹きつけられるんだと思います。
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