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イザク

Author:イザク
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昔のSF。宇宙とかロボットとかそういうSFっぽいもの。
本一般。映画一般。特撮ヒーロー。仏像。友情モノ。
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第33話、京都旅行の夜、という設定。
34話を見ると、どうも弦太郎と流星は一緒のタイミングで入浴し、その間、ケンゴは石柱の謎に没頭していたような感じですけど(笑)
これ書いた時点ではまだそこまで進んでなかったので、見逃してください。

33話の流星の独走を、ケンゴが見過ごすハズがない、ましてや如月がらみで・・・!
絶対クギを刺しに行くだろうな、という気持ちで書いてみましたw
あと、流星はまだこの時点では先週の傷が癒えていなかっただろうなヒヒヒヒみたいな変態ぽい気持ちも当然ありましたww

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広々と開放的な露天風呂。
奥まった所にお気に入りの場所を見つけ、一人目を閉じてくつろぐ弦太郎。
その弦太郎をさりげなく監視できるポジションに陣取る流星。

そこへ、腰にタオルを巻いた賢吾がやってきて、隣に座る。
「裸の付き合いといこうか、流星」
露骨に嫌そうな顔をする流星。
「何だ。説教か。聞く耳は持たないぜ」
「説教されるような事をしている自覚はあるのか。安心したよ」
そう言って、賢吾は肩まで身体を湯に沈め、ああ、いい湯だなあ、とつぶやく。
「旅行は、いいなあ。気分が開放的になるなあ」
「何が言いたい」
「如月は、きみなんかに守ってもらわなくても大丈夫、って事だよ」
「おれはあいつに、返しきれないほどの借りがあるんだ。こうでもしなければ、気が済まない」
賢吾は少し笑う。
「その気持ちは分かるとしても、だ・・・」
そう言って、湯の下の流星の身体に、さっと目を走らせる。あちこちに、紫色の痣が残っている。
「今のきみでは、かえって如月の足手まといになる、って考えたことはないのか?」
流星の顔色が変わる。
「少なくとも君よりは、役に立つつもりだ」
賢吾はまた笑う。
「だから、如月は誰か他人に役だってもらわなくても大丈夫、って言ってるんだよ。知ってるだろう? あいつは馬鹿だが、自分で自分を守るくらいの事はできる」
「だが如月は、今日、変な女にまとわりつかれて困っていたんだぞ」
「困っている、って自分で言っていたか?」
「それは、・・・」
「言ってないんだったら、別に困ってはいなかったんだ。きみにだって分かっているはずだ、如月は自分の気持ちを隠さない」
「だったらおれは、どうすれば、・・・」
「ただ、そばにいてやればいいんだ。助けが欲しい時は、如月は必ずそう言う。その時に、すぐに手を出してやれる距離にいれば、それでいい。借りがあるなら、借りっぱなしにしておけよ。きみも案外、小心者だな。返せ、って言われるまで、放っておけばいいさ」
流星はしばらく黙るが、やがて顔を上げて言う。
「歌星。君はそれで、満足か?」
「どういう意味だ」
「ただ、あいつのそばにいて、あいつの事を見て、必要とされる時だけ役だって・・・それで満足できるのか」
賢吾は困った顔になる。
「如月も馬鹿だが、きみも似たようなものだな・・・。理由もなく、ただそばにいられるから、友達なんじゃないのか?」
「だからそれじゃあ、おれの気が済まない」
賢吾は軽く、肩をすくめる。
「じゃあ、好きにしろよ・・・。言っておくけどな、一週間前に、きみの傷の手当をしたのがおれだってこと、忘れるなよ。肋骨にひびが入っている事だって知ってるんだぜ、君は隠してるつもりだろうが。せいぜい、役に立たないナイトになればいいさ。逆に如月に守ってもらう羽目にならないように気を付けろよ」
流星は腰にタオルを巻きつけて、立ち上がる。
「君は嫌な奴だな。何を言えば、おれが一番嫌がるのか、ちゃんと知ってる。君と話していたらのぼせてしまうよ、先に上がらせてもらう」
「きみが明日も今日と同じことを続けるようなら、その肋骨のこと、如月にバラすぞ」
「本当に嫌な奴だ」
流星は立ち去る。

賢吾は一人で、湯の中で手足を伸ばす。
「ちゃんと伝わったかなあ・・・。そこまで馬鹿な奴でもないと思うんだけどなあ・・・」
弦太郎が振り向き、賢吾に気付いて近寄ってくる。
「ケンゴ! そこにいたのか。気持ちいいなあ、ここ! ・・・ん、どうした、ニヤニヤ笑ってるな?」
「何でもない・・・ただ、初めて本気で他人を好きになる、って、難しいことだな、って思ってさ」
「何だ何だ、聞き捨てならないな?」
賢吾は弦太郎の笑い顔に、湯をはね掛ける。弦太郎も応戦し、しばらく二人で湯を掛け合って遊ぶ。

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