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イザク

Author:イザク
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昔のSF。宇宙とかロボットとかそういうSFっぽいもの。
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エコー・メイカーエコー・メイカー
(2012/09/28)
リチャード パワーズ

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アマゾンなどで本を探していて、「この本を買った人はこんな本も買っています」という一文につられて芋づる式に本を探すことってありますよね。
この「エコー・メイカー」は、「忘れられた王都」⇒「青い脂」⇒「2666」⇒、という流れでたどり着いた作品。いかにも難解そうですねw ちなみに全米図書賞受賞作。
(「青い脂」は以前、100pくらい読んで挫折しましたw ロシアの近未来SFっぽい言葉遊びドタバタ小説・・・だと思う。ロシアの小説が好きな人だと楽しさ倍増ではないかと。「2666」も図書館に予約入れてますが、超分厚い本らしいので多分挫折しそうww)

さてこの「エコー・メイカー」という本は、地理的にアメリカのど真ん中にあるネブラスカ州という土地を舞台にしています。ここには、毎年無数のカナダヅルの群れが繁殖地へと向かう渡りの途中で訪れる、プラット川という名の川があり、自然保護派と観光推進派との争いが続いています。
この土地でマークという男がある晩、交通事故を起こし脳を損傷してしまう。マークの姉のカリンは仕事をなげうって郷里に戻り、必死で弟を看病するが、意識を取り戻したマークはカリンを姉と認められず、何かの組織が送ってよこした偽物だ、早く本当の姉に会わせてくれ、と言う・・・。
脳に起きる症例の一つで、親しい人間を本物と認められない「カブクラ症候群」。
自分の人生に疑問を持ち始めた初老の脳科学者、ウェーバーが、この珍しい症例に興味を持ち、ネブラスカまでやってくるのだが・・・。

病室に残された謎の書置き、不自然なまでに献身的な看護師バーバラの過去、などなど、最後に明かされる謎もあって、全体がミステリのようにも読めますが、私はこの小説は文章が美しい(翻訳でも十分伝わってきます)のと、人物の描写がいいのがポイント髙かったです。特に、弟との関係に疲れたカリンが付き合うことになる二人の対照的な男、鶴保護活動家のダニエルと建築業界のやり手ビジネスマン、ロバート。
付き合いはじめは魅力に思えた事が、一緒に暮らすうちにどうしても許せない欠点に思えてきてしまう過程とかw その反動で昔なら欠点に見えたに違いない、新しい男の性格、とか。恋の始まりと、その終わりがリアルだなあ、と・・・。
相性の良い妻と、何不足ない結婚生活を送ってきたウェーバーが、理由も分からずに引きずりこまれて行くような新しい恋、とか。

珍しい脳の症例の数々を脳科学者が紹介したノンフィクション本では、オリバー・サックスの「妻を帽子と間違えた男」というのを昔読んで、大変面白かったのですが、「エコー・メイカー」はそこに更にミステリと人間ドラマを持ち込んだ、という感じです。
ただ、・・・ここまで分厚い本にする必要あったなかな、という気も・・・。特にミステリ要素は不要では。
感動的な筋立てなのですが、長すぎて感動も薄れた、というのが正直なところ。
訳者あとがきを読むと、これは「脳再構築小説」なのらしいのですが、イヤ別に再構築に興味ないから・・・w

季節になるとプラット川に赤い絨毯のように大群で押し寄せるカナダヅルの乱舞するさまが非常に美しく、ネブラスカ州という、今までほとんど知らなかったアメリカの片田舎に観光に行ってみたくなります。
少なくとも、地図でどこにあるのか確認したくはなりますよ(笑)
そしてこの州の州境線が、ほとんど直線で出来ていることには驚いてしまいました。


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