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蕃東国年代記蕃東国年代記
(2010/12)
西崎 憲

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西崎憲という人が今、すごく気になっていて、まだこれで2冊目なのにカテゴリも作っちゃいましたw
この「蕃東国物語」は第十四回日本ファンタジーノベル大賞受賞後、第一作です。そのせいか、王道ファンタジー色がやたら濃いです。
「蕃東国」というのは平安時代の日本に良く似た、歴史上の架空の国ですが、「年代記」と呼べるほど歴史が動いていく感じはしません。むしろ、夢枕獏の「陰陽師」シリーズに近い、時代も登場人物も限られた連作集です。
もっと言えば、世間に山ほどある「平安ファンタジイ」とほぼ同じです。
正直、なぜこれを普通に平安ものとしなかったのか、理解に苦しみます。
架空の国を作ったからには、その国の歴史から言語、文化、風俗まであらゆる細部を作りこんで欲しいし、またそれ作るのが架空の国の年代記の楽しさなのではないかと思っていたので。
この本では、蕃東の文化はほとんど平安貴族の文化と同じで、それがどうも物足りないです。だったら普通に平安ファンタジイでいいじゃん! って思ってしまいます。
(表紙絵からしていかにも女子供向けなんですけど?w)

しかし、そんな欠点を抱えながらも、一見普通の王道ファンタジーに見えながらも、やはりこの西崎憲さんという人、ただ者ではない、というか、どこか定石を踏み外していくような所があり、読んでいてスリリングなんですよね。文章も、凝った感じはなく淡々としているのですが、無駄がなくどこか張りつめたような文体でありながら、行間に色彩や香りを感じさせるとでもいいますか、愛想も化粧っ気もない美女みたいな感じです。

後半、どんどん異界に踏み込むように幻想味が強くなっていく、漂流する4人の男女の物語「霧と煙」、あと、美少女に求婚するために伝説の三つの珠を探しに行く、という王道中の王道のストーリーでありながら、現実味と幻想味のバランスがすごく良く、時折深い穴を覗き込むような心地のする「気獣と宝玉」が特に好きです。
でも、その他の短編も、どれもウッスラと幻想味があって、どこか夢の中の話のようです。

津原泰水がもっとひんやりと地味になったような感じ、ですかね・・・。
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