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イザク

Author:イザク
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昔のSF。宇宙とかロボットとかそういうSFっぽいもの。
本一般。映画一般。特撮ヒーロー。仏像。友情モノ。
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(2013/04/03)
ワシリー・ステパノフ、ピョートル・フョードロフ 他

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予備知識ほとんど無しで見たのですが、この映画、ロシアのSF作家ストロガツキー兄弟が1969年に書いた「収容所惑星」が原作でした。この本は未読ですが、映画で大体の内容は分かりました。
若い人はピンと来ないかも知れませんが、当時ロシアはソ連(ソビエト連邦の略。子供だった私は「ソレン」という国名だと、ずっと思っていました)と呼ばれていて、世界を東と西に分ける「冷戦」の真っただ中、当事者だったわけです。当時ソ連は共産党の一党独裁という、今でいうと中国みたいなある種の専制国家でした。国家の体制への批判などは当然許されない中で、SFというカタチに託して現政権への批判を果敢に行ったストロガツキー兄弟の勇気に、今さらながら感動します。

さて、そんな硬派っぽい原作の本作なのですが、やってる事は実に頭の軽そうな罪のない(?)SFアクション。
とある惑星に墜落した地球人青年、マキシムが、その星の軍事政権「匿名の父たち」による支配を倒すための反乱分子たちの仲間となり、自由への戦いに身を投じる、という・・・。

感想として全体に、古色蒼然といいますか大時代といいますか、CGをあまり使っていないせいもあるのでしょうが、画面に漂っている20世紀感、昭和感がたまりません!
最初の「スター・ウォーズ(つまりエピソード4)」を見た時の、わざと錆びたり汚れたりしている建物や乗り物を見た時の、あの手作り感とでもいいますか。テリー・ギリアムの「未来世紀ブラジル」にも雰囲気が似てるかなあ。建物や街並みがいちいち「ザ・SF!」という感じで、古いSFファンなら、この画面の味わいだけで嬉しくなってしまう事間違いなし!
また、役者さんも個性的な顔ばかりを揃えて見ごたえ十分。
主役の金髪巻き毛のマキシム(ワシリー・ステパノフ)の、若い頃のブラット・ピットみたいな頭の中カラッポ的な陽性で楽観的な顔つきがまず、とてもいい。暗く重苦しいこの映画、彼が主役じゃなかったら耐えられないと思う。
その友達になるガイの、ハンサムだけどモヒカンっぽい髪型なのも面白いし、ヒロインのラダの清楚な美しさも印象的。軍部のオジサン達も味のある顔が勢ぞろい。
更にこの映画、衣装もなかなか凝ってます。「匿名の父たち」が、ナチスドイツをモデルにしているのはすぐに分かるのですが、その軍服からしてもうカッコ可愛い。特に、グレアムという男の着ている服が、灰色のベロアの襟についている稲妻の模様、大きくスリットの入った裾、黒くて長いエナメルのブーツ、という隙のないスタイルで(SF映画的に)めちゃ素敵でしたww

あと特筆すべきはオープニングアニメのキュートさ。
アメコミタッチのアニメですが、「ドドドド」とか「オオオオ」とか、日本語での背景音も多用されていて、スタッフさんの日本のアニメやコミックスへの愛がしのばれます。この画面を見ただけで、そんな重い政治的な意図のない映画だよ、という雰囲気は伝わってくるのですが、この画面、良く見てるとけっこう先の方までネタばれしてるんですがいいのか?(笑)

ストーリーは正直、変に唐突な感じで流れについていくのに苦労しますが、本国ロシアでは2部構成だったものを1部にまとめた映画なのだそうで、やけに展開が雑なのも、そのせいかも知れません。
とにかく主人公マキシムの行動が場当たり的(笑)で、何を考えてるのか良くわからない。
そのくせ体制をくつがえそうとする意志は強いのですが、まあ実際に革命を起こす若者っていうのはこんな感じなのかも知れない。
ラストではまさかのどんでん返しがありますが(「虚偽の安寧」の意味はその時わかるw)、むしろ途中、電波塔から大衆を従順にさせる電波を流していた事が明かされる場面が怖かった。風力発電所の風車がたくさん並んでいる場所なのですが、なんだかそれがHAARPの畑(?)みたいに見えちゃってね・・・。テレビとか新聞での洗脳のことも言ってたしね。古いSFのくせに、今でも通用する怖さがありました。
それと、「ミュータント」と呼ばれる種族の賢者の登場シーンがすごくいい。言ってる言葉も、この映画には珍しく(笑)、真っ当で道理の通った言葉なんです。

まあ全体として、欠点の多い映画なのですが、なにか昔のSFの持っていたガムシャラなパワーを思い出させる所があり、私は好きでした。スタイリッシュになりすぎた昨今のSFにはない、熱と愛を感じます。
ただ、一人で見ているとあまりの展開の雑さに苛々してくると思うので(笑)、誰かと一緒に「え? 今の展開、スゴッ!!」とか、「何で急にここ来たの?」とかツッコミを入れながら見ると、より楽しめると思います。
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