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盤上の夜 (創元日本SF叢書)盤上の夜 (創元日本SF叢書)
(2012/03/22)
宮内 悠介

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第一回創元SF短編賞で山田正紀賞を受賞短編をもとにした連作集。
SFらしいSFが読みたかったので読んでみました~!

表題作「盤上の夜」は、四肢を失った若い女性が、囲碁盤を感覚器とするようになり、狂気と紙一重の天才ぶりを発揮して囲碁の世界を短くも激しく駆け抜けていくさまが描かれています。とても面白かったです。
ただ、あんまりSFっぽくないんですよね・・・。「囲碁盤を感覚器とする」っていうアイデア、なつかしのサイバーパンクみたいで、私の印象で言うとギブスンの「冬のマーケット」とかティプトリィの「接続された女」とか、はたまた冲方丁の「マルドゥク・スクランブル」とかみたいな「何らかの欠損を抱えた少女が外部ハードウエアの助けを借りて最強となる」という一連のジャンルみたいな匂いがしたのですが。
正直、このアイデアが生かされていない、というか、別に囲碁盤が感覚器じゃなくても、四肢の欠損という大きなハンデを抱えた若き天才女流棋士、という設定だけで十分面白いし、無理にSF仕立てにしないほうがむしろ、棋士たちの鬼気迫る勝負への執念が際立って、普通に小説として面白いのでは、と思います。
「ヒカルの碁」という漫画がありましたが、棋士たちのプライドのぶつかり合いなどはこれにかなり近いです。SFというよりスポ根漫画に近い、熱血なものまで感じます。

表題作以外の短編も、チェッカー、麻雀、将棋などなど、対局ゲームに憑りつかれた人物たちの、神の領域あるいは狂気の世界に踏み込んでいくさまが描かれ、迫力満点でどれも面白かったです。特に「千年の虚空」では、隔離された家に暮らす三人姉弟の、爛れ切った愛憎渦巻く関係が描かれ、ちょっと舞城王太郎の「九十九十九」みたいな、文学青年がやりたがるような「ザ・純文学」の香りが素敵でした。
どの短編も、参考図書がとても多いのですが、作者が丁寧に資料を漁り、ゲーム対局の歴史をも詳しく語ってくれるおかげで、読み終わるといっぱしの通になった気分になれるのもお得な感じですww
囲碁や将棋の奥深さ(の片鱗)に触れるだけでもエキサイティングというか知的興奮を覚えます。
文章もキチッとしてて、特に囲碁や将棋などの専門用語が頻出するところなど非常にカッコいいです。
SFと思って読むとやや拍子抜けするのが、やはり一番の欠点ですかね・・・。
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