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イザク

Author:イザク
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昔のSF。宇宙とかロボットとかそういうSFっぽいもの。
本一般。映画一般。特撮ヒーロー。仏像。友情モノ。
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夢幻諸島から (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)夢幻諸島から (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)
(2013/08/09)
クリストファー・プリースト

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今やSF界のみならず英国文壇の巨匠、プリーストの新刊が銀背のハヤカワSFシリーズから出版されました。
まず手に取って、装丁の感じがとても良い。
南国リゾートの空気を思わせる、甘くて爽やかな配色のイラストと縦長の判型を生かした、題字のレイアウト。ずっしり重いハードカバー本には出せない、ポケットブックならではの小粋で軽い味があります。本自体の物理的な軽さと装丁の軽さが釣り合っているのが良いです。
復活したハヤカワSFシリーズ、泥臭いイラストが表紙になっている事が多くて装丁的にはイマイチだなあと思っていました。文庫本やこの手のポケットブックなど、表紙の面積が小さい場合はそれなりの見栄えのする装丁ってものがあると思います。

量子怪盗 (新★ハヤカワ・SF・シリーズ)量子怪盗 (新★ハヤカワ・SF・シリーズ)
(2012/10/11)
ハンヌ・ライアニエミ

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(↑「泥臭いイラスト」の一例として。よく見るとカッコイイ絵なのですが、せめてB5版くらいの雑誌の表紙向きの絵でしょう。漢字4文字を大きく入れたレイアウトは今時っぽくてスマート。ちなみに内容は、女の子のために働いちゃうSF版ルパン3世の話を最近はやりのSFガジェット満載で書いたような感じ。個人的に、あんまりピンと来なかったのでこのブログでは取り上げていません)

さて、装丁の話が長くなりましたがこの「夢幻諸島から」、一読して「傑作だ・・・!」と感じるタイプの本です。ただ残念なことに、私の読解力が無さ過ぎて、この本の面白さが1/10も味わえてなさそうな気配がします。

時間勾配によって生じる歪みが原因で、精緻な地図の作成が不可能な世界。赤道をはさんだ、広いミッドウェー海に点在する「夢幻諸島(ドリーム・アーキペラゴ)」の島々を紹介してゆく連作集形式の長編小説。

一見、それぞれ無関係なエピソードの連なりに見えますが、読み進むうちに少しずつ登場人物が重複していき、やがて大きな物語が見えてきます。読んでいて、「あ、この人はあの話にも出てきていた。でも、時代が違うなあ。と、いう事は・・・?」みたいに、芋づる式にいろんなエピソードがつながって、パズルをはめ込むような知的興奮が味わえます。・・・というか、味わえるはず(笑)
すみません私の読解力では正直ついていけませんでした。もう一度読み直せば多分、あちこち気付く点があると思います。
数多くの島々が紹介されていますが、主要な登場人物は数人でお互い関係を持っているものが多く、彼らのエピソードがクラシック音楽のテーマのように繰り返し変奏されます。ちゃんと読めば、その中にミステリ的な謎が埋め込まれていそうな気配を感じるのですが・・・。

こういう、謎が解けていく感じが好きな人にはたまらない魅力があると思われるのですが、私はどっちかというと謎は謎のままに終わる話の方が好きなので、せっかくのこの大仕掛け、面白いとは思えませんでした。
読んでいて、やはり、傑作の匂いがプンプンするのに私にはサッパリ分からなかった本、「ケルベロス第五の首」を思い出しました。

ケルベロス第五の首 (未来の文学)ケルベロス第五の首 (未来の文学)
(2004/07/25)
ジーン・ウルフ

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「ケルベロス第五の首」も、根本の謎はまったく解けなかったものの、読んでいる最中の本の中の世界にぐんぐん引き込まれる感じがとても良くて(雰囲気だけの幻想SFにも近い感じ)、謎などどうでも良くただ単に面白い本、好きな本として印象に残っているのですが、残念ながら「夢幻諸島から」という本には、ガイドブック風の無味乾燥な描写や、一見普通の人の普通なエピソード(実はパズルのピースとして重要だったりする)が多く、どうにも話に乗りきれないままに読み終わってしまった気がします。
文体が地味なのも自分にはマイナスでした。訳文なので何ともいえませんが、文体だけでなく描写や会話にも華やかさがないという気がします。
プリーストは若い頃、「逆転世界」と「ドリーム・マシン」を読んだだけですが、いずれも「アイデアは凄いけど書きっぷり(文章とか会話とか)が冴えない」という印象で、好きになれなかったのです。
どうも自分には、プリーストの良さは全然わからないみたいです。

個々の短編としては、独立して楽しめるものもあり、特に毒虫スライムの物語「大オーブラック あるいはオーブラック諸島」の怖さと迫力は半端ない。いっそ夢幻諸島にスライムの恐怖が広がっていくパンデミック小説にしちゃえば良かったのに(笑)
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