プロフィール

イザク

Author:イザク
好きな物・好きな人(順不同)

昔のSF。宇宙とかロボットとかそういうSFっぽいもの。
本一般。映画一般。特撮ヒーロー。仏像。友情モノ。
西尾維新先生。舞城王太郎先生。荒木飛呂彦先生。奥泉光先生。円城塔先生。津原泰水先生。山岸涼子先生。松本大洋先生。三上骨丸先生。白鵬様。食パンちゃん。

カテゴリ

最新記事

最新コメント

月別アーカイブ

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:


Sunny 4 (IKKI COMIX)Sunny 4 (IKKI COMIX)
(2013/10/30)
松本 大洋

商品詳細を見る

この表紙を書店で見た時、(あ、松本先生ってこの本を売るつもりがないんだな)って思いました。
だって怖いじゃない、この表紙・・・。
Sunnyの舞台となる「星の子学園」にいる、知恵おくれでいつもパンツ1枚の裸で歌を歌っている巨漢の「たろう君」です。構図は大胆だし日本画のような色彩は美しいけれど、コミックスの表紙としてアリかナシかで行ったら、ナシだと思います。3巻の時もややそう感じましたが、怖くはなかった・・・。

Sunny 3 (IKKI COMIX)Sunny 3 (IKKI COMIX)
(2013/01/30)
松本 大洋

商品詳細を見る

言葉を変えていうと、この作品を商業的にとらえてはいなさそうだなあ、と・・・。
作家として人間として、今登らなければいけない人生の崖を、ただ必死に手がかりを求めて登攀しようとしているような・・・そんな、松本先生ご自身の苦悩すら伝わってきて、祈るような気持ちで見守るようにして新刊を読んでいます。

今回の本も、大きな出来事は起きなくて、星の子学園のハルオやせい君、それにきい子たちの生活をつづっているだけなのですが、今まで「Sunny」1巻~3巻を読んできた読者にとってはもう、言葉の一つ一つがあまりに重く辛すぎて、誇張抜きで涙なくして読めません。
私は電車の中で読んでいたのですが、マジで1話につき1回は、涙がこぼれそうになってしまい慌てて本を閉じ、何事もなかったような顔をして眼鏡を拭いたりして(笑)、落ち着いてからまた続きを読んでもまたすぐに涙が落ちそうになって・・・1時間、その繰り返しでしたよ! 悪い事は言いませんから、電車で読むのはやめた方がいいです。
特に、せい君が仲良くなった女の子(くみちゃん)に「手紙来てた?」と聞かれて勢いよく「うん。来てたっ!」と答える場面、一度は園を出て親元に戻ったきい子が、園にいるのを見て「遊びに来たん?」と聞かれて「帰ってきたんや。」と答える場面・・・。ヤバイ・・・ヤバすぎる・・・(T▽T)

あと、今まで登場していなかったハルオのお父さんがフラリと星の子学園に立ち寄るエピソード。このお父さんというのがまた、若い頃はインテリだったらしいのですがスナフキンみたいな帽子をかぶって定職も持たず、ヒッチハイクでフラフラとあちこちを旅している、リアルスナフキンみたいな男で、人生を達観しているような所もあり、マキオさんに慕われている事からしても悪い男ではなさそうなのですが・・・とにかく、母親も父親も、頭は良く暴力をふるうわけでもなく、優しいと言ってすらいいような親なのに、子供にとって一番大事なもの(親としての自覚、でしょうか?)をまったく持っていないというのが読んでいて辛すぎる。人生の先輩として、生真面目な親や教師や上司とはまったく違う価値観を語ってくれる人として、マキオさんのような青年が惹かれるタイプなのも分かるのですが・・・(そのマキオさんですら、父親としては失格だと、厳しい言葉で非難している)。
でも、こういう、年齢に関係なくいつまでも子供の心のままの人っていうのも、いるんですよね・・・。
高校を中退して工事現場で働きながら出来ちゃった結婚をして、子供を居酒屋に連れてったりしながらもそれなりに子育てをする、ヤンキー夫婦のほうがずっと健全だし人として立派だと思う・・・。

両親がそんなんで、ハルオは良くあんなに元気な子供に育ったなあと思うのですが、悪い事をしたらすぐに殴って叱ってくれる職員の安達さんの存在も大きいと思います。多分、ハルオの両親はハルオが何か悪さをしても、理詰めで言い聞かせれば分かるはず、怒鳴りつけたり、ましてや手をあげたりしてはいけないんだ、という教育方針というか理念を持っていたはず。それが間違いとは言いませんが、子供はどこかで、親に真正面から受け止めてもらっていないような寂しさを感じるのではないでしょうか。
理由のいかんを問わず、悪い事をしたら怒り、殴って謝らせる安達さんのおかげで、ハルオは自分になることができる、というと何だか抽象的だけど、壁にぶつかって初めて自分の形や大きさがわかる、みたいな感じ? 
何度も壁にぶつかる事で自分を確認してるんだと思う。それって普通は両親が、まったく無意識のうちにやってる事だと思うのですが。

とにかく、並みの純文学よりもすっと深く、人生そのものについて考えさせられるコミックス。まだ続きが出るのか・・・。
救いのない彼らの人生に、何らかの決着がつく日は来るのか。・・・この先に、光は差すのか。
見届けずには、いられません。

1~2巻の感想はこちら
3巻の感想はこちら

関連記事
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://isaac936.blog.fc2.com/tb.php/837-88fdb822

 BLOG TOP