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イザク

Author:イザク
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昔のSF。宇宙とかロボットとかそういうSFっぽいもの。
本一般。映画一般。特撮ヒーロー。仏像。友情モノ。
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もう何十年も前ですが、バリントン・ベイリーという人の書いた「時間衝突」というSFを読みました。
時間衝突 (創元推理文庫)時間衝突 (創元推理文庫)
(1989/12)
バリントン・J・ベイリー

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奇想ワイドスクリーンバロック作家・ベイリーの代表作ともいえる作品で評価も高い本ですが、すみませんストーリーは忘れてしまいました(T.T)
ただ、この作品に出てくる、未来の中国人が作った砂時計型の人工天体が忘れがたいのです。
惑星ほどの大きさのある、砂時計型の天体。上層部には貴族階級が暮らし、下層部には労働者階級が暮らしている。労働者はどんなに働いても金持ちにはなれず、貴族の贅沢な生活を一生支え続けなければいけない。逆に貴族は、一生の間何の心配もなく、遊んで暮らせる。

なんと酷い搾取構造かとお思いでしょうが、ここからが凄いところ。
この砂時計型の星では階級が世代交代する、つまり、労働者の子供は自動的に上層部に登って貴族となり、貴族の子供は自動的に下層部に降りて労働者となって、それぞれの一生を送るのです。さらにその子供たちはまた、逆の階層へと送られてそこで一生を終える運命・・・。
貴族で遊びほうけていても、自分の子供には過酷な人生が待っているのが分かっている。かたや、毎日報われぬ思いで働き続けても、子供は豊かな人生を送れることが分かっている。

・・・どっちの人生が幸せだと思いますか?
初めて読んだ時も、「うーん・・・貴族がいいけど子供が落ちぶれるっていうか奴隷みたいになるのは嫌だし。自分が働いても子供に贅沢させてやれるならそれでもいいかな。とはいえ貯金もできないのはやっぱ嫌だし・・・」と悩みました。20年以上たちますが、いまだに人生の局面で、この砂時計型の星のことを思い出します。
結局、幸せって何だろう、という事なんですよね。自分だけ満ち足りていても幸せは感じ取れない。家族や周囲の人間が不幸であったならもう、自分も幸せになれない。やはり親になってみると、子供には幸せな人生を歩んでもらいたいものだし・・・。
かと言って自分本人が、前途に夢も希望もなく働き続けて、そこに果たして幸せを見いだせるのか。

ベイリーのSFは別に深い内容や社会批判的な観点を含んでいるわけではなく、この砂時計天体も、ただ単純にSF的アイデアが次々と繰り出される中のひとつにすぎないのですが、「幸せって何だろう」と考える時に必ず思い出す一冊です。
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