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イザク

Author:イザク
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昔のSF。宇宙とかロボットとかそういうSFっぽいもの。
本一般。映画一般。特撮ヒーロー。仏像。友情モノ。
西尾維新先生。舞城王太郎先生。荒木飛呂彦先生。奥泉光先生。円城塔先生。津原泰水先生。山岸涼子先生。松本大洋先生。三上骨丸先生。白鵬様。食パンちゃん。

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共喰い [DVD]共喰い [DVD]
(2014/03/05)
菅田将暉、木下美咲 他

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田中慎弥の芥川賞受賞作の映画化。
しかも主演が「仮面ライダーW」のフィリップこと菅田将暉くん。
これは気になりますね! なりますよ!

昭和63年。
山口県下関市の、「川辺」と呼ばれるどこかさびれた町。漁業に携わっている人が多いが、若者が少なく活気がない。
ショッピングモールや映画館やゲームセンターなど、若者が集まって遊ぶ場所が全然ないそんな田舎町で、スポーツに熱中するわけでもオタク道を極めるわけでもない普通の高校生男子である遠馬(菅田将暉)の頭を占めるのは「セックスしたい」ただそれだけ。ラッキーなことに、そんな遠馬にもヤラせてくれるガールフレンド、千種(木下美咲)がいる。夏休みなのをいいことに、二人は毎日示し合わせて神社の倉庫でセックスをする。
やり場のない青春のエネルギーを性欲として吐き出してしまう自分に嫌悪感をおぼえる遠馬だったが、現実問題としてはもうとにかくヤリたくてヤリたくてしょうがない。
更に遠馬を苦しめるのが、自分の実の父親が女癖が悪く、しかもセックスの時に自分が快感を得るために女を殴るような男であることだった。自分もいつか、相手の女を殴るようになるのではないか。自分の性欲が強いのはあの男の血を引いているからではないのか。
父親を強く嫌悪しながらも、生まれた家を、町を出て一人で生きていこうと決意するほどに自分というものが確立しておらず、日々に流されるようにして生きている男子高校生の日常のやるせなさ。

青黒く鬱屈した青春の負のエネルギーを体現するような、遠馬という主人公を、あの「W」の時の紅顔のデジタル美少年、フィリップ君(菅田将暉)が演じきれるのかという親心にも似た(笑)心配をよそに、堂々の演技でした!
映画全体として、魅力的といっていい人物が登場せず、どうしようもない人間たちのどうしようもない底辺のドラマが延々と続くのですが、見ていてそこに引き込まれていく感じがするのは、ひとえに菅田将暉の清新な演技があればこそ、だと思いました。小説よりも感情移入がしやすく感じるのも、生身の役者の存在感のゆえだと思います。
ただ、フィリップ君の可愛さを覚えている身としては、最初この映画での彼を見た時は思わず「ぜつぼうだー!」と口走ってしまいましたね。だって髪型がワッキー(お笑いコンビ「ペナルティ」)なんだもん・・・。
しかしそれもすぐに見慣れてきて、「地方のシャレっ気のない、いつも不機嫌な高校生」として、輝きを放って見えてくるのはさすが若い売れっ子役者のオーラです。主役が彼でなければこの映画、もっと陰惨なものになってしまっていたかも。
食事のシーンが何度も出てくるのですが、食べっぷりがイイのも好感度高し、です。(ただし、ケーキはちょっと嫌々食べている気配(笑)。甘いもの苦手なのかなww)
仁子さん(田中裕子)が作ってくれる、アジのたたき丼(?)が美味しそう! 

夏の田舎町の風情、100%方言での会話、色褪せた風景や気だるい室内の感じ(特にお昼に素麺を食べるところとか)などの映画全体の感触もノスタルジックで、暗いテーマの映画のわりには青春映画としての爽やかさがあります。
ただ、原作でも感じたことですが、個人的にこの父親にどうもリアリティが感じられず、演技の良し悪し以前に、父親の存在だけがフワフワと浮いているような印象を受けました。彼がキーパーソンなだけに残念というか、映画全体の説得力すら半減するというか。
「貧しくさびれた田舎町にある種のロマンを感じて作っちゃった映画」と言ったら言い過ぎか・・・。
逆に、遠馬の実の母親である仁子さん役の田中裕子の、何か開き直ったような存在感は凄かったです。キツそうな顔立ちで白いパラソルの千種ちゃんも印象的でした。

「原作にはない衝撃のラスト」というのも何のことかよくわかんなかったです。
昭和天皇の崩御と、遠馬にとっての一つの時代の終わりをひっかけてある所、琴子さん(父親のもとを逃げ出した元愛人)や千種の言動に「女は案外したたかで強いものだよ」というメッセージが感じられる所、かな・・・?
原作「共喰い」の感想はこちら

poster.jpg
↑ポスター。
あの、五月人形のようだったフィリップ君がこんなに精悍な顔付きになって・・・(T.T オバさん落涙)
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