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イザク

Author:イザク
好きな物・好きな人(順不同)

昔のSF。宇宙とかロボットとかそういうSFっぽいもの。
本一般。映画一般。特撮ヒーロー。仏像。友情モノ。
西尾維新先生。舞城王太郎先生。荒木飛呂彦先生。奥泉光先生。円城塔先生。津原泰水先生。山岸涼子先生。松本大洋先生。三上骨丸先生。白鵬様。食パンちゃん。

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先週末、スターウォーズの新作と劇場版アニメ「妖怪ウォッチ」が封切りになったわけですが、世界各国で当然のようにぶっちぎりの1位であるスターウォーズより、日本では「妖怪ウォッチ」の方が観客動員数が多かったという・・・(SWは金曜日から公開だったので、土日限定で比較した数字)。

これ聞いて、正直「ざまあ!」って思いましたね。
だってここ数か月、SWのステマとかタイアップ広告とか、マジウザかったんだもん。
私は高校生の時に最初のスターウォーズ(今でいうエピソード4)を見て、それまでのSF映画のイメージをまったく覆すその影像の斬新さに衝撃を受け、サントラ盤を買って聞きまくったり、トートバッグなどのオリジナルグッズを勝手に作ったりしてハマりまくりました。初期の3部作のことは今でも深く愛しています。

ところが、「エピソード1」以降のSWにはまったく心が動かなかったのよ。
キャラにも個性が無いし、画面の異世界っぽさも新鮮味がないし、CG使ってるせいで安っぽいし、何より話が面白くない!
それなのに、最初の3部作を見ていない若い人までが何やら流行(というより広告)に乗せられて、騒いでいるのも違和感がありました。
あ、あと自分、SFは好きだけど架空年代記ものには入っていけないのよ。どうでもいい、勝手にやってろ、としか思えないのよw(だからガンダムも苦手なのかな?)
続編ができたせいで、SWの世界が年代記っぽくなったことも、私のSW離れを促したのかもしれません。
ジャージャービンクスがウザすぎる、というの大もきな要因だったかもw

さて今回のSWに関しては、公開前から、その時の違和感を更に強烈に感じていたのですよ。
SWったってルーカス監督じゃないんだし、もはや別物じゃないの?
最初のSW以降、めざましく進化しつづけたSF映画の数々と、SWと一体どこが違うというの?
まあ、まだ見ていないのであまり悪口は言えませんが(それと予告で見たBB8の可愛さは大いに評価します!)
まあとにかく、今回のSW騒動を見ていると「作られた流行に大騒ぎしやがって」という、醒めた気持ちにしかなれなかったのです。

妖怪ウォッチは、去年の冬の勢いからくらべるとずっと大人しいものの、まだまだ子供たちの間では一番人気、封切りしたらクラスの友達よりも早く見たい小学生たちが、親と一緒に見に行ったのだろうなと思うと実に微笑ましい。
っていうか、SWには興味のない自分も、妖怪ウォッチは見に行きたいと思っているのよ。だって、デザイナーになったエミちゃんが赤丸ことジバニャンと再会するエピソードがあるんだよ・・・号泣必死ですよコレ・・・。
とにかく、日本人はグローバル巨大資本にささやかな抵抗を示したわけで、実に痛快でございます。

まあここまでさんざんディスったけど、自分、SFファンのはしくれとして、SWは見なきゃいけないんですよね。
SWは画面が命だから、映画館に行かなきゃいけないとは思うけど・・・。DVDで見ると途中で寝ちゃいそうだし・・・。
1970年代、スケボーに賭ける青春。ちなみに実話。

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1975年、アメリカ西海岸ドッグタウン。
小さな町の小さなサーフボード屋を溜まり場にした、サーフィンとスケボーが大好きな少年たち、「ゼット・ボーイズ」。
楽しく、そしてカッコ良い彼らのスケボーはあっという間に全米の流行となり、売れっ子となった彼らを、大手事務所が次々に契約していく。街中で遊びで滑って満足していた彼らの友情は、やがて利権や契約によってバラバラとなっていき・・・。

この感じ、何ていうか、「男の子っていいよなあ!」という感じ。
上半身裸で街の中をスイスイ滑ったり、髪を長くのばしたりいきなり丸坊主にしてみたり。
みんなで集まって馬鹿騒ぎして、くだらないことで喧嘩して、お酒を飲んでマリファナ吸って、女の子を誘って、自分は誰よりもクールで恰好いいと思ってて、でもやっぱり友達のこと大事に思ってたり。
彼らだけの、若い時だけのキラキラした世界がある、ような気がするのですよ、女の子の目から見ると。
そしてそれに、強烈に憧れてしまう女の子というのが沢山いるわけですよ。
この映画の監督はキャサリン・ハードウィックという女性です。そうと知らずに見ていましたが、途中で、「これは女性監督なんじゃないか?」と思いました。なんだかね、男性集団の描き方がね、同じく女性監督キャスリン・ビグローの「ハート・ブルー」に似ている気がしたのです。
ちょっとブロマンスの気配があるというか。何か理想化されているというか。「駄目なところがむしろカッコいい」みたいな・・・。
男性が見たら、「確かにそうなんだけど、どこか違う」という印象を受けるのではないかな・・・?
(男の子だって、「キリスト教系女学校」みたいなのに強烈でしかもピントはずれな憧れを抱いているので、どっちもどっちだと思う)

さて、前置きが長くなりましたが、この映画、そんな少年たちの中二くさい青春もさることながら、とにかくサーフィンとスケボーのシーンが多くて、好きな人にはたまらない映画だと思います。
また、使われる音楽が当時のヒット曲で、ロッド・スチュアート、T-レックス、イギー・ポップにジミ・ヘンドリクス、デビッド・ボウイにディープ・パープル、と、綺羅星のようなロックスターたちの曲がどんどん使われていきます。
この時代はまだ、私は子供だったけど、何となく雰囲気は覚えていて、懐かしかったです。当時の洋楽が好きな人にも、たまらない映画だと思います。
早世したヒース・レジャーが出演しているのも見どころで、サーフィン好きな西海岸の不良中年役が大ハマリしていました。

ラストは非常に泣けるエピソードとなっていますが、結局、彼らは永遠に「夏の子供」であり続けたかったんだろうな、と。
人はいつか、必ず大人になってしまう、だからこそ「男の子」が惜しげもなく振りまくキラキラは、見るものを惹きつけてやまないのだろうな、と。
必見という映画ではないのですが、一部の人にはカルト的な人気がありそう。
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大場つぐみと小畑健、少年ジャンプが誇るヒットメーカーコンビのコミックスを、「モテキ」「恋の渦」の大根仁監督が実写映画化した作品。
予告の、コミックスのコマがどんどん立ちあがって立体的に動き始める映像が凄くて、期待して見にいったのですが、・・・うーん、原作の駄目なところがそのまま駄目だった、という印象・・・。

正直言って、私はコミックスの「バクマン。」はあまり評価してないのです。
主人公コンビの、原作担当メガネ男子、シュージンにはまだ感情移入できるのですが、作画担当サイコー君が、何を考えてるのかどうもよく分からないの・・・。
結局、彼が漫画でトップを狙う動機は亜豆(ヒロイン)と結婚したいってことなのか? 彼にとって漫画を描くとはそれだけではなくて、何かもっと、自分が自分であるための大事な一筋の道だと思うのですが、何か、ただ変にプライドが高くて意固地な男にしか見えないのよ。漫画を描くことが、目的のための手段でしかないような感じなのよ。
更に、サイコー役の佐藤健が、ミスキャストだと思うの・・・漫画家というより流浪の剣士にしか見えないんですが(笑)
大賞を取れなかったから、連載が決まらないから、と、自分の思い通りにならないことがあるたびに不機嫌になって怒りMAX、その目はもはや一匹狼か人斬りか(笑)
プライドが高くて負けず嫌いなのはいいけどさ、賞が取れないのも連載できないのも、ただ自分たちの実力が足りないだけだから。言わせんなよ恥ずかしい。
何ていうか、漫画に人生を、命を賭けてる人たちにとっては、「たかが漫画、されど漫画」だと思うんですよね。
うまく言えないんだけどサイコーは、「たかが」っていう発想がなくて、だから一所懸命になるのはいいんだけど、どこか自分勝手というかカラ回りしてる感じ。漫画への愛がない、という感じ。
佐藤健の怖い目つきを見ていて、そういえば原作のサイコーも、どこか好きになれない奴、と感じていたことを思い出しました。

あと、原作の面白いところは個性豊かな漫画家や編集者たちの群像劇だった、という所なのですが、2時間の映画ではそのへんも生かされてなくて残念。女流漫画家の蒼樹紅さんとか、シュージンの良きパートナー見吉とか、見てみたかったです。
しかし、サイコーの佐藤健以外のキャスティングはすべて原作のイメージ通りで、特に新妻エイジ役の染谷将太のなりきりっぷりは凄かった。ブツブツ言いながらペンをジャッ! ジャッ!って動かす感じとか。
亜豆役の小松菜奈も、もうそのまんま! でしたね。原作では、この亜豆もちょっと、何を考えているのか分からない感じだったのですが、そういう所も含めて、そのまんまでした。

「漫画を描く」ということがいかに大変な作業か、漫画家という職業がいかに苛酷か、ということが嫌になるほどよくわかる映画なのですが、サイコーとシュージンが「この世は金と知恵」という新しい漫画のアイデアを得て、(いける、これは面白い!)と興奮しながら漫画を描いている場面の、二人の足元から画がどんどん上に向かって成長していく画面は、音楽とあいまって、「漫画を描く楽しさ、思い通りに表現できる喜び」みたいなものがあふれて伝わってきて感動しました。
自分の好きなことを仕事にする、ということの、シビアな現実と、それをおぎなって余りあるほどのヨロコビ。たとえそれが一瞬のものであっても、それを一度味わってしまうともう他の道には進めないのでしょうね。

それにしても、劇中の新妻エイジの描く漫画、「クロウ」の絵が凄すぎる。もちろん、小畑先生が描いておられるのだが・・・。
誰か「クロウ」の原作を作ってくれませんかね? 「クロウ」が読みたくてたまらないのは私だけではないはず。

エンディング、サカナクションの「新宝島」の歌詞も映画に合っていてすごく良いと思いましたが、なんと映画のスタッフさんたちの名前を、ジャンプコミックスの背表紙に印刷して映していく演出には笑いました。だってそのコミックスのタイトルが、
「撮影助手のΨ難」だったり「すごいよ! 音響さん」だったりするのよ(笑)
私も、何十年もジャンプを読み続けてきたものですが、映画のスタッフさんたちの、あふれるジャンプ愛には感動しました!

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ヒャッハー映画の頂点、100満点で150点の映画!

下の娘がコレを見て、「今までの人生で一番好きな映画」とまで激賞するので、気になって映画館に行ってみてきました~!
いや~、確かにコレは凄い!
「SFは絵だ」という、古い名言がありますが、この映画はとにかく絵がいい。
荒野を猛スピードで走り続ける大型トラクター、装甲車、ハリネズミみたいにトゲだらけの車、崖の上をジャンプしながら走るロードバイクたち。
砂嵐の中で強風に吹き上げられて空中に舞い上がり、車ごと大破して四方に散らばるゴミのような人間たち。
何台ものドラムを積み込んで、真っ赤な衣装のギタリストと共に爆走する楽隊カー。このギターが、文字通り火を噴くのもカッコイイ。
独裁者、イモータン・ジョーのもとで狂信者として育てられる「ウォー・ボーイズ」の、なまっちろい身体とスキンヘッド。
・・・数え上げればきりがありませんが、とにかく一場面ごとが絵になっていて飽きさせず、繰り広げられるアクションもまた、CGっぽさがなく(ほとんどがリアルアクションだそうです)、見応えがある、っていうより、「コレ、人が死んでるんじゃないの?」と心配になるのですがすぐに次にもっと派手なシーンが来るため、「今度こそ、人が死んでるんじゃないの?」と更に心配になり、やがて麻痺していくという・・・(笑)

私は「マッドマックス」シリーズは「1」しか見たことがなかったのですが、この映画が「マッドマックス」シリーズの正当な後継にして頂点を極めているのだろうな、という事は想像できます。
今までのシリーズのファンの人たちにも、非常に評価が高いのだとか。

主人公がどっちかというと、マックスよりも女戦士フェリオサ(シャーリーズ・セロン)で、彼女が守るものが5人の若い女たち、というのも新鮮。
とにかくシャーリーズ・セロンがもう男前でかっこよくてねえ・・・。信じられないようなアクションもバリバリこなすし、なにかもう、アメリカの女優の覚悟の凄まじさみたいのが感じられちゃってね・・・。
覚悟といえば、もう映画に出ている全員、特にスタントマンの人たちって、もう死を覚悟してやってるとしか思えない。普通のアクションでさえ凄いのに、この映画ではそれを爆走している車の上でおこなうのだから・・・。
ひらひらのスカートをはいた美女たちでさえ、走り続けるトレーラーからトレーラに飛び移る、くらいのことは平然とやってのけるし。
何というか、アメリカ映画の底力、映画にかける情熱の厚み、映画への愛。
そんなものをヒシヒシと感じてしまい、少なくともアクション映画の分野では、日本がアメリカに追いつく日は永遠に来ないのだろうな、とさえ思いました。
アメリカ映画ってごく初期のころから、こういうの得意だったと思うんです。まだ白黒だったころの西部劇って、こういう、走りつづける幌馬車をインディアンたちが鬨の声をあげながら追ってきて、走る馬上から馬車の屋根に飛び移ったり、そんなアクションシーンが見せ場だったんだものね(インディアンを悪役として描いても問題なかった頃の映画)。
マッドマックス的な爆走アクションって、きっとそういう、アメリカ映画人の血が騒ぐんじゃないかと思います。

そしてこの映画、意外にもフェミニズムの映画でもあるのね。
主人公は女戦士フェリオサだし、彼女が守るのは5人の若い女たち。旅の途中で彼女たちの仲間になるのもまた、オートバイ乗りのおばちゃん達。
この、おばちゃん達と若い女たちの間で、植物の種を譲り受けたり、何か「母と娘」的な世代を超えた交流が感じられるのもいい。
男たちが水や石油をめぐって戦いに明け暮れて殺伐とした世界を作っている中で、奴隷のような境遇から抜け出して新たな世界を作ろうとする女たち。
フェリオサを中心として、この女たちが実に、非力ながらもそれなりに役立って、戦いにも参加していくのがいい。
無駄にキャアキャア騒がないので、見ていて、女として「そうだ、女だってやればできるんだ!」と力強い気持ちにさせてもらえます。
しかし女を上げているストーリーでありながら、もっと恰好良くて美味しい所をさらっていくのが実は男たちなのです。
最初はフェリオサたちの敵の立場でありながら、やむなく協力しているうちに、彼女たちの決死の思いにいつしか同調し、命がけで彼女たちを守るマックス。
ラスト、黙ってフェリオサの前から姿を消すのがまた、男の美学でもあり、気障でもあります。
ウォーボーイとして生まれ、戦いの中での華々しい死を望みながらもかなわず、やがて女たちと共に戦う道を選ぶニュークス。女たちを逃がすために、最後は望み通りに派手な自爆を遂げます。
(ニュークス役は「ウォーム・ボディ」でイケメンゾンビを演じた、若手のニコラス・ホルト。初々しいハンサムっぷりはこの映画でも健在! アクションも超頑張ってます! しかもずっと上半身裸・笑)
どちらの男も、表舞台からは姿を消しますが、女たちの心に消えない思いを残す、という・・・。
これぞ男のロマンですな~!
男として生まれて、一番かっこいい生きざま(死にざま)と言っていいのじゃないでしょうか。
・・・というわけで、女が見ても男が見ても、それぞれ満足できる、素晴らしい脚本だな、とも思いました。

人物のキャラデザインを含め、世界観がヒャッハーで統一されていて本当に気持ちがいい。
こういった、しっかりした世界観を持った映画は、リピーターが続出してやがてファンのサークルが出来てくるでしょう。
「スター・ウォーズ」や「ハリー・ポッター」のシリーズみたいに、みんなで仮装して映画鑑賞会を開いたりね。
コスプレ解禁でこの映画の鑑賞会したら楽しいだろうな~。私はオートバイおばちゃんの役しかできないけど(T.T)
大ヒットはしていないようだけど、一部ではすでにカルトムービーとしての地位を得ている模様。

派手でかっこいい映画が好きな方は、ぜひぜひ劇場の大スクリーンで血わき肉おどるヒャッハーを体験してください!
後味が良くて爽快なので、カップルで行っても盛り上がれるし、仕事に疲れたサラリーマンも元気になれる映画だと思います!

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東村アキコ先生のコミックスが原作の映画「海月姫」。
仮面ライダーWのフィリップ君こと菅田将暉が女装男子を演じるとあって話題になりました。
私は原作も大好きだし菅田将暉も若手俳優の中では一番好きなので、気になっていました。
結論から言うと、作りは雑だけどキャスティングの妙で見せる映画、という感じ。

原作を読んだ人にとっては、特に花森役の速水もこみちと 稲荷さん役の片瀬那奈が、ドンピシャ! って感じです。
もこみちは、以前は演技の下手な大根役者と思っていましたが、最近、「MOKO'S キッチン」で自信をつけたのか、演技に余裕が感じられます。今回も、クセのある役を楽しげに演じていました。

尼~ずの面々もそれぞれ似合っていて、特に千絵子役の馬場園さんの堂々たる着物姿には圧倒されました。着物女子のはしくれとして、着付けや着こなしに目が行ってしまうのですが、ここまでの人はなかなかいないんじゃないか、というほど、隙が無くお似合いです。
あと、まやや様役の太田莉菜は、ラストのファッションショーのシーンが凄く良かったです。まやや様らしく。歩き方も表情もぎこちないのですが、かえってそれが愛嬌や媚びを封印した、不機嫌女子みたいな独特の魅力を醸し出していて、ブリブリ甘ロリの菅田将暉と好対照でバッチリ決まっていました。
「まやや様っぽいのにオサレでカッコいい」という、実にいい効果が出ていました。

そして何より、蔵之介訳の菅田将暉。
いやー、フィリップ君をやってた時はまだ17歳、女装姿も華奢で本当に女の子みたいでしたよね。
今ではさすがに、男らしく骨太な体形になり、女装は厳しいのではないかと心配していましたが・・・。
可愛かった! 
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いや、正直、男が女装してるようにしか見えないんだけど、何か元気一杯というかね。ゲスい女の子の魅力っていうかね。
役柄も、内向的な尼~ずの面々に戟を入れて、現実に立ち向っていく勇気を与えるパワフルな男の子の役なんだけど、菅田将暉のどっちかというとDQNで下品で、その分、内側から弾け出すような圧倒的なパワーのおかげで、すごく説得力があるんです。
蔵之介は原作ではもうちょっと上品な青年で、その分、女装した時も優美なのだけど、菅田将暉の女装は、スケバンみたいな迫力(笑)
見ていて、故・桜塚やっくんを思い出しました。ガラは悪いけど、それなりの可愛さがある女の子、という感じ。
しかしラストのファッションショーのシーンでは、菅田将暉、ファッションモデルたちの歩き方を相当研究したと見えて、文句ナシにキュートな女の子になりきっていました。
足なども良く見ると、男らしく骨太で膝の関節も大きいし筋肉の付き方もゴツイのに、超ミニのドレスを着てサマになるって凄いことだと思います。
菅田将暉は今まで見たどの映画でも、失望させられたことがありません。まだまだ伸びしろのある、若手NO,1の役者だと思っています。

ヒロインの能年玲奈は、ちょっと最初から可愛いすぎたかな? という感じ。オシャレした時とのギャップの凄さが「海月姫」の見どころの一つじゃないかと思いますので。

・・・とまあ、キャスティングに関しては、よくぞここまでイメージ通りの人を揃えたな、という感じなのですが、残念ながら、脚本、演出ともに甘いというか雑というか、監督の志が低い気がします。
下の娘は大学で映画研究会に入っていて、自分でも短編映画を撮ったりしているのですが、この映画に関しては「編集が甘い。カットとカットとのつなぎが悪くて、役者の位置が違っていたりするし、安易な暗転が多い」と、何やら専門家っぽいことを言っていました。
詳しいことは私にはわかりませんが、まあ、見ていて何か安っぽい感じを受けたのは事実。
あと、尼~ずの面々が千絵子さん以外、全員姿勢が悪く早口なので(まあ、そういう役どころなので仕方ないけど)、映画全体が何となく暗ったいです。
菅田将暉の圧倒的なパワーなくしては、見ていて辛い映画だったかもしれません。
ありがとう、フィリップ!

闘志!
根性!
そして狂気・・・!


2014年アカデミー賞のダークホース、「セッション」はホラーでもサスペンスでもアクションでもないのに、見ている間ずっと心拍数が上がりっぱなし、緊張のあまり身動きもできないような迫力満点の映画。
ラストシーンでは鳥肌が立ちました。
口コミで評判が広がり、封切り当初よりも上映映画館も拡大しているようですが、本当に、これこそ映画館に行く価値のある映画。
映画に一番必要なもの、それは情熱。映画に限らず、やはり人を感動させるものの根本には情熱があるのだなあ、などと思ったり。

ドラマー志望で19歳のアンドリューは、名門のシャッファー音楽学校で、指揮者として名高いフレッチャーに才能を見出され、彼のバンドにスカウトされる。しかしフレッチャーの指導は超スパルタで、暴力と罵声を浴びせられる日々。アンドリューは恋人とも別れ、文字通り血のにじむ特訓を自らに課してフレッチャーを見返してやろうとする。
コンクールの当日、バスが故障し集合時間に間に合わなかったことがきっかけでアンドリューは大怪我をしたうえにフレッチャーに掴みかかり、学校を退学となる。
数か月後、アンドリューが弁護士に話をしたせいでフレッチャーは音楽学校をクビになっていた。地元のクラブで演奏していたフレッチャーはアンドリューに声をかけ、自分のバンドに誘う。
理不尽なまでに厳しかったフレッチャーの、演奏家を育てたいとの情熱、真意に触れたと感じたアンドリューは、ふたたびフレッチャーのバンドにドラマーとして参加するのだが・・・。

もうとにかく、フレッチャーを演じるJ・K・シモンズ(この映画でアカデミー助演男優賞受賞)の狂気を帯びた指導っぷりがすさまじいのです。ちょっとでもテンポや音程が狂えば、何十回でもやり直させ、罵声を浴びせ物を投げつける。気の弱い生徒は泣きだして教室を去る。
「巨人の星」もビックリの、超スポ根世界。
とにかく、根性のない奴はついてこれない。そして、「なにくそ!」と思って奮起するような負けん気、執念のある奴でないと残れない。
そして、フレッチャーの狂気を超える狂気を持った奴じゃないと勝てない・・・!

スポーツとか芸能とか、一流になる人たちってこんな恐ろしい世界をくぐってきているんでしょうか・・・。
みんながみんな、とは思わないけど、やっぱりこういう狂気スレスレのところで燃え尽きるようにして最高のパフォーマンスを残すタイプの人っていうのもいるんだろうなあ・・・。遠くから見ている分にはカッコイイけど、身近で付き合いたくはないなあ。

フレッチャーを演じたJ・K・シモンズの演技が話題になっているようですが、アンドリュー役のマイルズ・テラーの鬼気せまる演技がまた凄まじい。
最初登場した時は何だかなまっちろい、のほほんとした顔だと思っていたのですが、ドラムを叩いていて極限を超えた時に顔つきが一変するのが恐ろしい。身体は疲れ切っているのに精神だけが高揚している時の目の座り方も凄い。
ラスト、コンサートの舞台で汗と血を飛び散らせながらひたすらドラムを叩いている姿を見た時は「鬼神の如き」という言葉が頭に浮かびました。彼の熱演なしには成り立たない映画だと思います。

アンドリューの父親というのがまた、息子にやさしくて、一緒に映画を見ながらポップコーンを食べるような男で、優しいのはいいんだけど父親としては物足りない。フレッチャーの厳しい指導にアンドリューが喰らいついて行くのも、厳しいけれど偉大な父親像を心のどこかで求めていたからだろう、と思う。
だからこれは、青年が父親を超える物語でもあると思う。

(ここから先はややネタばれ)
最後のコンサートでフレッチャーがアンドリューに意地悪をするのは、結局フレッチャーは自分にも他人にも厳しい指導者であると同時に、個人的な恨みを忘れない小物でもある、という事だと思う。
最初は理不尽で横暴な奴。次に、真に音楽や生徒のことを考え、自ら嫌われ役を買って出ている人情味のある奴。そして最後に、実は小物。
フレッチャーという男の素顔が最後までよくわからず、それに振り回されるアンドリュー。
やられっぱなしでは収まらない、今度はこちらから叩き潰してやる、と覚悟を決めたアンドリューがステージで勝手に演奏をはじめたとき、最初フレッチャーは困って手持ち無沙汰になってしまうのですが、アンドリューの演奏が熱を帯びてくるのにしたがって、「この曲を最高の仕上がりにしたい。このステージを最高のものにしたい」という気持ちが湧き上がってきてしまう。お互いに心から嫌いあい、憎みあっているにも関わらず、アイコンタクトで心を通じ合わせてバンドの他メンバーをうまく指揮し、完璧なタイミングで曲を終わらせるフレッチャー。まったく個人的な敵対心からはじまったアンドリューの暴走を、至上まれにみる名演として演出し、完成させてしまいます。
音楽を愛するものの一人として、アンドリューの熱演に心を動かされ、私情を捨てて曲の完成に奉仕してしまう。
アンドリューもフレッチャーの意を汲み、彼の指揮に従っていく。
「音楽」というものの持つ力、というか魔性のようなものがこのラストから感じられ、演奏自体のパワーも圧巻で、ここでザワッと鳥肌が立ったところでいきなりエンディング。この終わり方も凄かった。
しかし、あの後アンドリューとフレッチャーはどうなるんだろう・・・。
ステージ上ではうまく協力できたけど、なんか仲良くなりそうにはないよね。フレッチャーだけならまだしも、アンドリューというのも相当癖の強い奴だからね・・・。
結局、音楽映画というよりも二人の男の意地の張り合い、みたいな話だしね・・・。
途中でアンドリューに振られてしまうニコルという女の子も、あのアンドリューと付き合っていくのは大変ですよ。別れて正解です(笑)


こないだ「チャッピー」を映画館に見にいったとき、「新宿スワン」という映画の予告をやっていて、面白そうだなと思っていたのですが、今日、職場のラジオでその映画の監督、園子温と主演の綾野剛がいろいろ興味深い話をしていました。

まず、園子温監督。
「冷たい熱帯魚」のイメージがあまりに強くて、エログロ監督のイメージがありましたが、今日1日でイメージがすっかり変わりました!
以前にヨーロッパの映画雑誌で、「世界の映画監督100人に聞きました」的な特集記事があって園監督も取材を受け、「一番好きな映画は何ですか」という問いに、「ベイブ」と答えたんですって。(「ベイブ」は農場のブタたちが喋る、子供向きの映画です)
そしたら、他の監督たちはいわゆる「名作」を選んでるのにお前は目立とうとしてこんな映画選びやがって、と凄く「叩かれたんですって。
でも、園監督は本当に「ベイブ」が一番好きな映画なんだそうな。モフモフ可愛いものに弱いんですって(笑)
井ノ頭公園に動物ふれあいコーナーがあって、そこにいるモルモットの中の一匹に勝手に「モルモちゃん」という名前をつけ、奥さんと一緒にしょっちゅう触りに行ってるんですって(笑)
「冷たい熱帯魚」の時も、プロデューサーから「園さん、こういう話好きでしょ? 監督やりたいでしょ?」と言われ、「イヤ好きじゃないです、やりたくないです」と断っていたという(笑)
最近では、アライグマが大活躍するSF映画「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」が面白かったとおっしゃっていました。
個性的な奴らがわんさか出てくる楽しい映画が好きなんだそうです。
いやー、園監督のイメージが180度変わってしまいましたわ~。

そして、主演の綾野剛とは今でもとても仲良しで、メールで今も「今夜どう?」「仕事です。残念だニャア」などという会話を繰り広げているという・・・!
いや、さすがに受けを狙って多少オーバーに言ってるかもしれないけど、凄い会話だニャア。

そして綾野剛。
私はこの人の映画、今までに「そこのみにて光輝く」と「闇金ウシジマくんpart2」の2本しか見ていなくて、どっちも物静かで繊細そうな草食系男子の役どころだったので、そういう人かと思っていましたが、この「新宿スワン」では若い金髪のチンピラ役、今までと全く違うテンションで演じていて凄く良いらしいのです。
綾野剛自身が、「最初の場面でウワーッとうるさい演技をして、オレは今回ここまでやるんだぞ、ということを周囲にアピールした」「普段は小さい声でしゃべっているので、大声でしゃべっていると脳が少し抵抗する、そこを強引に進めていく」というようなことを(細かい言い回しは違っていますが大体このような意味のことを)話していて、非常に役者としても人間としてもクレバーだなあ、という印象を受けました。
そしてなんと、綾野剛のデビュー作品は「仮面ライダー555」だったのです!
「いや僕は悪役だったんですけど・・・」と言っていたので早速調べてみた所・・・、
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うん、確かに、いましたっけねこんな奴。スパイダーオルフェノク。
今まで、好きともイケメンとも思っていなかった綾野剛に一気に親近感が・・・!

・・・と、いうわけで、監督も主演俳優も気になる映画「新宿スワン」、ぜひ見てみたい映画です!

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